プロジェクト終了-しかし、現場の取り組みにおわりはない

2021年6月16日

フィールドディの開催

ポン灌漑地区では、灌漑設備の改修工事が進められているため、一部エリアではしばらく作付けができませんでした。しかし、改修工事が終わったエリアでは、2月以降順次作付けを再開、プロジェクトでも、研修を受けたモデル農家の圃場を、展示圃場として支援、モニタリングをしてきました。展示圃場は、プロジェクトの推奨する適正投入技術の結果を農家がその目で確かめることができるため、技術の普及には大変重要な要素です。プロジェクト終了後にも、カウンターパート機関が無理なく展示圃場の取り組みを続けていけるよう、肥料会社と連携し、展示圃場で使う肥料は肥料会社から無償で提供してもらっています。

展示圃場では、5月、刈り取り前に、フィールドデイを計8回開催。改修工事の影響により実地研修ができなかった地区の農家を中心に、251名の農家が参加しました。農家自身の目で、適正投入をした圃場と、そうでない圃場の違いを確かめた事で、技術の実践が促進されることが期待されます。

他地域の灌漑地区へのプロジェクト成果の共有

ポン灌漑地区は、プロジェクトの支援により、特に種子生産や水利組合設立等の分野で先進的な取り組みをしており、今後、他灌漑地区へのモデルとしての役割が期待されています。プロジェクトは、5月~6月、カウンターパート共に、コメの生産規模が大きな3つの灌漑地区を訪問し、プロジェクトの取り組みや成果品であるガイド・マニュアルについて説明しました。カウンターパートにとって、他灌漑地区で講師的な役割をするのは誉れであり、説明にも熱がこもりました。他灌漑地区で参加してくれた農家や普及員との間で、活発な議論も見られました。

連合水利組合の始動

ポン灌漑地区には15の水利組合が設立され、活動をしています。これら15の水利組合の連合が、3月に正式に登録され、4月19日に第1回総会が開催されました。また、6月15日には、連合水利組合の月例会議が開催されました。連合の発足前にも、毎月各水利組合の役員が集まる月例会議は開催されており、これが、水利組合の推進に大きな役割を果たしてきたと考えられます。カウンターパートも情報交換、相互扶助としての会合の重要性を認識しており、プロジェクト終了後も開催を継続していくことを明言しています。

カウンターパート達の自覚と意気込み

プロジェクト終了が近づくにつれて、カウンターパート達の行動が目に見えて変わってきました。これからは、自分たちがこれらの活動を全て担っていく、という意気込みのようなものを感じます。プロジェクトは終了しますが、現場での取り組みに終わりはありません。カウンターパート達の頑張りに敬意を示すとともに、今後の彼らの活躍に期待しています。

最後に、プロジェクトをご支援くださった皆様に、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。

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フィールドディで適正投入技術を説明する奈良部専門家

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フィールドディに参加した水利組合NLLC-Aのメンバー達

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選出された連合水利組合の役員達

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2021年3月、最後のJCC終了後にカウンターパート達と