母子保健研修後モニタリングを開始しました

2018年3月22日

2017年9月にパイロット2市(サン・バルトロメ・ホコテナンゴ市、ネバフ市)の保健医療従事者計83名に対する母子保健研修を実施しました。研修受講者の研修後の行動変容の評価や研修受講による保健医療施設での母子保健サービスの提供状況の変化について評価するため、2018年2月より県保健管区事務所職員、市保健管区事務所職員や研修講師とともに研修受講者へのモニタリングを開始しました。

モニタリングでは、研修受講者自身があらかじめ記載した自己モニタリング用紙を確認しながら、モニタリング実施者が、チェック項目に沿って、研修受講者へのインタビューを行います。その後、妊婦健診等の研修で学んだ手技を観察し、課題点・提言をまとめ、研修受講者にフィードバックを行います。

研修受講者からは、研修内容で業務に役立っている点として、「妊婦健診」、「妊産婦の危険徴候」、「産科救急の初期対応」等との声が聞かれました。二次保健医療施設にあたる24時間診療センターの救命救急室にて、産科救急の初期対応(模擬)の手技の確認を行った際には、他の受講者も救命救急室を訪れ、熱心にモニタリングの様子を見学していました。そして、モニタリング実施者からのフィードバック時には、日頃の業務の中で生じている疑問について質問が挙がり、活発な質疑応答が行われました。

一方で、妊婦健診の手技の観察においては、「健診前の手洗い」、「レオポルド触診法(注1)」、「浮腫の観察」が不十分な点として観察されました。観察された課題については、モニタリング実施者がその場で手本を示しながら、指導を行いました。また、これらの課題については、引き続き、テリトリー担当看護師(注2)による技術サポートを行い、技術強化を図るほか、今後の母子保健研修の改善に役立てます。

今後、研修内容が現場で定着し、保健医療施設のサービスの向上に活かされるよう、引き続き、モニタリング・OJT(On the Job training)(注3)を通した支援を行っていきます。

(注1)レオポルド触診法:母体の腹壁から胎位、胎向、胎勢を確認するための手技。
(注2)テリトリー担当看護師:1つのテリトリーは、3~6のセクターを有し、テリトリー担当の看護師は、テリトリー内の責任者として保健医療従事者の技術サポートを担う(参照:MSPAS 2010, El Modelo Incluyente en Salud)。
(注3)OJT(On the job training、オン・ザ・ジョブトレーニング):実際の職務現場において、業務を通して指導を行う教育訓練のこと。

母子保健研修後モニタリング(サン・バルトロメ・ホコテナンゴ市)

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妊婦健診(模擬)にて身長測定を行う准看護師

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妊婦健診(模擬)にて子宮底長の測定を行う准看護師

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産科救急の初期対応時の止血方法について説明をするモニタリング実施者(左)

母子保健研修後モニタリング(ネバフ市)

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BMIの評価を行う准看護師(左)とモニタリング実施者(右)(ネバフ市内ビカラマヘルスポスト)

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妊婦健診(模擬)にてレオポルド触診法を行う看護師(手前)とモニタリング実施者(奥)(ネバフ市内シェビッツコミュニティセンター)