グアテマラ共和国(以下「グアテマラ」という)は、中米諸国の中でも特に母子保健指標の改善が遅れており、妊産婦死亡率や乳幼児死亡率などは周辺国と比較して全てが高い。また、5歳未満児の約半数が慢性栄養不良の状態にあり、中南米地域では最悪、世界でも4番目に高い数値である(WFP 2014年)。慢性栄養不良の主因は食事の量や栄養の偏りだが、その副因として、貧困、教育の不足、生活習慣、インフラなどの生活環境の未整備など社会、文化、環境などが複雑に絡む。慢性栄養不良の患者を処方する保健医療の問題も大きく、医療従事者の技術の低水準、不適切な医療サービス、医療施設の未整備や薬品の不足等により適切に処置されておら…