コスタリカでの「社会学的アプローチによる生物多様性保全」研修に参加

2017年7月20日

コスタリカでJICAが実施している「参加型生物多様性保全推進プロジェクト(MAPCOBIO)」主催による「社会学的アプローチによる生物多様性保全」研修(7月3~7日)に、当プロジェクトのカウンターパートであるホンジュラス環境省生物多様性局(DiBio)職員と共に参加しました。
研修は、保護対象となっている野生動物と地域住民との間の軋轢を避けるために、地域住民側へのアプローチを通して行動変容を促すための理論や事例を学ぶもので、講師はブラジルにおけるジャガーと人間の対立関係とその解決に向けて研究を続けてきたサンパウロ大学のシルビオ・マルチーニ教授です。

研修では、1.人間が関わる自然環境問題の解決には、自然科学的なアプローチや経済学的、政治的な解決法では不十分であり、当事者である地域住民自身の「意思決定の変革」が必要である。2.しかし、人々は先入観や古くからの慣習・信仰等に基づいて行動していることが多く、そのような社会文化的・保守的な意思決定から、科学的・論理的な意思決定へと人々の意識を変革し、行動変容を促さなければならない。3.そのためには、情報提供(環境教育)、ソーシャルマーケティング、代替案の提供、能力強化、阻害要因の除去といったプロセスを取ることが必要であることを学びました。

生物回廊制度の運用においては、保護区ではない普通地域で、できるかぎり環境負荷をかけない生活様式へと人々の意識改革と行動変容を促すことが重要であり、今回の研修で学んだ内容を当プロジェクトでのコミュニティでの活動に活かしていきたいと思います。

また、研修初日の冒頭には当プロジェクトの概要、活動状況等についての発表を行い、コスタリカの参加者との間でホンジュラスにおける保護区制度や生物回廊制度等について質疑応答や意見交換を行いました。

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シルビオ・マルチーニ教授

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講義中の様子

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グループワークの様子

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当プロジェクトの紹介