優先NCDコントロールに向けたカウンセリングビデオの制作

2023年4月19日

ホンジュラスでは、優先NCD(高血圧症や糖尿病)の治療において、医薬品を使った治療に偏っており、日々の生活習慣を改善するためのカウンセリングや教育、治療を継続するための心理的サポートが不足しています。プロジェクトでは、医薬品による治療と合わせて、食事や運動を含む生活習慣の改善に取り組んでいます。患者さんにとって、今までの生活習慣を変えることは容易なことではありません。患者さんが前向きに治療や予防に取り組めるよう、医療従事者は知識や技術を向上させ、患者の日常生活のニーズや課題に寄り添った支援を行うことが重要です。

例えば、食事指導では栄養士による支援が重要です。現地では栄養士の養成が開始されて10年以上経っています。しかし、一次医療施設においては、栄養士を目指す大学生が期間限定の実習員として配属されているのみで、栄養士の配置は十分ではありません。そこで、栄養士のいない医療施設では、医師や看護師もまた食事や運動に関する指導を行う重要な役割を果たします。

プロジェクトでは、医師や看護師、栄養科の学生が効果的に食事指導やカウンセリングの知識や技術を習得できるよう、ビデオ教材の制作を行いました。作成されたビデオ教材は、身体測定、診察から栄養指導に至るまで一連の流れを6分にまとめた内容となっています。撮影はパイロット地域の保健センターで行われ、医師1名、栄養科の学生1名、高血圧症・糖尿病の患者2名が出演に協力してくれました。出演者の皆さんは、カメラが回る中でもリラックスした様子でハキハキと話し、実際の診察の場面と同様の設定で撮影をしたこともあり、理解しやすい内容となりました。またビデオの中で、生活習慣を改善していくことが疾患のコントロールにおいて重要であることを伝えています。編集が完了したビデオ教材は、2023年3月に行われた指導者研修においても活用されました。

【画像】

撮影の様子

【画像】

ビデオ内容の一例(医師によるカウンセリング)

【画像】

ビデオ内容の一例(カウンセリングの様子)

【画像】

撮影の様子(日本の教材を活用した栄養指導)