本邦短期研修生インタビュー(土壌メタゲノム解析)

2017年4月5日

2016年度、本プロジェクトでは、本邦短期研修生として、現地カウンターパートであるインドネシア科学院(LIPI)の研究者4名を派遣いたしました。うち、千葉県にあるかずさDNA研究所に2016年10月20日より派遣され、2017年3月18日に帰国されたニョマンさんにお話を伺いました。

日本での研究内容を教えてください。

メタゲノム解析(注)を通じて微生物相の群衆構造を学ぶことが今回の研修目的で、主に、ソフトウェアを用いた解析を行いました。

(注)メタゲノムとは、ある生物の遺伝子全体を意味する「ゲノム」に、「超越」を意味する「メタ」を融合した造語で、微生物相の群衆構造の遺伝子全体を網羅的に解析することをメタゲノム解析と呼びます。

インドネシアとの研究環境の違いを教えてください。

まず、研究者として、効果的かつ効率的な仕組みが整っていることに驚きました。日本での研究は体系的で、よく管理されており、コンピューター設備や技術による十分なサポートがなされているというのが最初の印象です。さらに、インドネシアでは入手するのに通常2、3カ月以上かかる消耗品もわずか数日で補充されます。

また、日本人研究者は非常に親切で、規律正しく、勤勉で、研究への熱意に溢れており、一緒に仕事をすることを通して、多くのことを学ぶことができました。

帰国後、本研修の成果をどのように役立てたいですか。

今回学んだメタゲノム解析は、おそらくインドネシアで初めて行う研究になります。そのため、帰国後は、この最新の研究知識を生かして、アランアラン草原へのソルガム栽培時の微生物相の群衆構造のゲノムに焦点を当てた研究を行い、プロジェクト成果に貢献したいと思います。

日本での生活はいかがでしたか。

日本人は礼儀正しく親切で、快適に過ごすことができました。インドネシアと気候が全く異なるため、厚手の衣服と同時に心の準備が必要でした。かずさDNA研究所は郊外に位置したため、新鮮できれいな空気の中で生活ができました。ただ、レストランやマーケットが近くになかったため、時には、5キロから10キロ離れたスーパーマーケットまで自転車で行くこともありました。自分の場合は、食事の制限がなかったため、ラーメン、そば、お好み焼き、すし、すき焼き、刺身といった多くの日本食を楽しめました。

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研究に取り組むニョマン氏

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指導責任者のかずさDNA研究所バイオ研究開発部長柴田博士(左)、同特任研究員花野博士(右)とともに