プロジェクトによる植物残渣粉末を活用した家具試作

2019年9月23日

本プロジェクトでは、研究代表機関の京都大学とLIPIバイオマテリアル研究所の両者にて、植物残渣粉末(主にソルガムバガス)を原料とした環境に優しい木質成形体生産に関する共同研究を進めているが、同時に、本研究成果を社会に還元し、プロジェクト終了後も継続的に活用できるよう社会実装を目指している。

今年度に入り、パーティクルボードの社会実装を視野に入れた調査、研究をインドネシア側が主体となり進めていたところ、本プロジェクト拠点であるボゴールの家具会社が興味を示し、家具用材料として試用したいとの申し出があった。そこで、プロジェクトサイトであるチビノンエコパークにおいて行った大規模な試験栽培によって収穫された植物残渣粉末(ソルガムバカス)を材料とした家具用パーティクルボードを日本とインドネシア共同で製造し、それを用いて同社がキャビネット試作を行った。

現在、同社では中国から輸入された端材を原料としてキャビネットやアイロン台を製造し、主に低所得者向けに販売をしているが、プレス等の設備が整えば、自前でボードを製造し、家具の生産、販売につなげたい意向である。このように本プロジェクトにて研究を進めているパーティクルボードにおいても商業ベースの生産の可能性を見出せている。同社は地域の若者の雇用を会社の一つの使命にしていることから、本生産を実現、拡大することが出来れば、地域コミュニティの生活環境向上に本プロジェクトが雇用促進という形で貢献することとなり、プロジェクトのインパクトと持続性の面において、多大な波及効果をもたらすことが可能も期待される。同地域におけるプロジェクト成果の展開を引き続き注視したい。

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家具工場訪問

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試作されたキャビネット

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家具工場社長(中央)との集合写真