西ヌサトゥンガラ州ロンボク島への出張

2019年12月14日

2019年11月28日から29日及び12月12日から14日の2回にかけて、インドネシア中部西ヌサトゥンガラ州ロンボク島への出張を行った。本プロジェクトでは、研究代表機関の京都大学とLIPIバイオマテリアル研究所の両者にて、植物残渣粉末(主にソルガムバガス)を原料とした環境負荷の少ない木質成形体生産に関する共同研究を進めているが、同時に、本研究成果を社会に還元し、プロジェクト終了後も継続的に活用できるよう社会実装を目指している。そのような折、ロンボク島中部にある火力発電所において石炭からバイオマス燃料への転換を進めているとの情報を得たため、本プロジェクト研究者であるインドネシア科学院(LIPI)化学研究所のDr. Edi Iswanto Wiloso、プロジェクトアドバイザーのDr. Safendrri Komara Ragamustariとともに同地を訪問し、同発電所を視察するとともに、研究開発責任者と面談し今後のプロジェクトへの協力可能性について意見交換を行った。

同発電所では、現在、火力発電の燃料として使用するため、ごみを原料としたバイオペレットを開発し、実用化に向けた試行を行っている。これは、インドネシア政府のエネルギー政策に基づいた活動であり、西ヌサトゥンガラ州政府でもその成否が注目されている。

ロンボク島の同地域並びにその東部に位置する東ヌサトゥンガラ州にはアランアランの自生する熱帯荒廃草原が広がっているため、本プロジェクトで研究開発を進めているソルガムを原料とした木質ベレットも代替燃料の一つとして含めることができれば、プロジェクトの社会実装におけるインパクトと持続性の面において大きな波及効果をもたらすことが期待できる。そのため、同発電所の取組み及び今後の展開について引き続き注視したい。

【画像】ロンボク島火力発電所での意見交換