ボゴール近郊でのソルガム試験栽培

2022年1月17日

本プロジェクトでは、研究代表機関の京都大学とLIPIバイオマテリアル研究所の両者にて、植物残渣粉末(主にソルガムバガス)を原料とした環境負荷の少ない木質成形体生産に関する共同研究を進めているが、同時に、本研究成果を社会に還元し、プロジェクト終了後も継続的に活用できるよう社会実装を目指している。

その活動の一環として、インドネシアの発電企業と連携し、ソルガムペレットの燃焼実験を行うため、昨年後半よりボゴール近郊にてソルガム試験栽培を実施した。当初は2020年4月頃に開始予定であったが、その直後の新型コロナウィルス(Covid-19)の世界的な感染の急増を受け栽培が延期された。2021年も栽培直前にデルタ株による大規模な感染拡大が発生し、さらに、栽培管理を担当する村落の住民の多くが同株に感染したため十分な管理が行えず、1回目の試験栽培では予定の収穫量を大幅に下回る等の数々の困難に見舞われた。2021年10月に開始した2回目の試験栽培となる今回も、日本人専門家が現地に行くことのできない状況の中、携帯電話やSNSツールを駆使したコミュニケーション主体の遠隔での非常に難しい栽培管理を強いられたが、現地プロジェクトアドバイザーによる尽力もあり、予定していた収穫量を確保することができた。

収穫したソルガムは、切断機により破片状とした後に発電所内に輸送し燃焼実験に利用される。この試験結果をもとに、更なる実用化に向けた研究が続けられる。本プロジェクトは2022年7月に終了予定であるが、終了後も共同研究の成果が実用化され社会に還元されることを期待したい。

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倉庫に輸送されるソルガム

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切断機による加工