地方食品検査官向けトレーニングセミナーを開催しました

2021年8月13日

2021年8月12~13日の二日間の日程で、地方食品検査官の能力向上を目的としたトレーニングセミナーを開催しました。このオンラインセミナーは昨年12月のセミナーの続編として企画されました。Badan POM(国家医薬品食品監督庁Indonesian FDA)は、インドネシアにおける食品管理の調整を担っており、中小企業による安全な食品生産・流通のために、地区食品検査官の質を確保する役割を担っています。

インドネシアでは中小企業5600万社のうち約70%に当たる3930万社が食品製造等に関わっています。その内訳は、50%が食品家内工業、21%が屋台料理、残りが加工食品とケータリングとなっています。中小企業の多くは、適正製造基準(GMP)を完全に適用する能力の欠如や、記録保持と文書化の不完全な実施、施設の衛生管理の不徹底など、食品安全のコンプライアンスに関して多くの課題に直面していることが明らかになっています。そこで、中小企業における適切な食品安全管理の実施を促すために、公的な食品検査官が必要とされているのです。

今回のセミナーでは、食品検査に関するより実践的かつ技術的な内容を提供するために、食品中小企業のためのモニタリングの実施方法に焦点を当てました。中小企業の食品安全意識を高める方法、中小企業への報奨・処罰制度、中小企業の食品安全・品質管理の実際、さらに衛生・衛生管理を含む食品加工管理に関する技術的側面など、多岐にわたるテーマが取り上げられました。

セミナーは、Badan POMペニー・K・ルキト長官による特別な開会宣言で幕を開けました。その後、前述のテーマについて、次の8人の講師が講演を行いました。
・Dr. Rita Endang, Apt., M.Kes., Deputy of Processed Food Control, Badan POM
・北海道保健福祉部健康安全局食品衛生課 主幹 田邊 寛樹氏
・Dr. Sally Johnston, Director Programmes, New Zealand Food Safety, Ministry for Primary Industries
・株式会社チャンピオンカレー代表取締役 南圭太氏
・厚生労働省食品監視安全課 課長補佐 井關法子氏
・中部大学 応用生物学部 食品栄養科学科 教授 根岸治夫氏
・東京サラヤ株式会社サニテーション事業本部 HACCP事業推進室 室長 家柳典行氏
・キユーピー株式会社品質保証本部 食品安全科学センター長 宮下隆司氏

Badan POMの73地方支所、514の県・市保健所、Badan POMの技術実施部隊の代表者ら、計900人余の地方食品検査官らが当トレーニングセミナーを受講しました。

【画像】トレーニングセミナーの講師及び出席者(一部)の集合写真(ZOOM)