2022年1月21日
スラバヤ、2022年1月19日~21日
JICAと熱帯病研究所(Universitas Airlangga)は共同で標記実習プログラムを開催しました。本プログラムは、BSL-3(バイオセーフティレベル3)実験室での実践的なバイオリスク管理について学習の機会を提供する目的で、ITD-UNAIRの7名の専門家が、Badan POMの中央実験室から参加した2名の実習生を指導しました。
バイオリスク管理とは、感染性物質や毒素の偶発的な曝露や意図的な放出、不正アクセス、紛失、盗難、誤用、転用から労働者や地域社会、環境を守る目的のもと、特別に設計された作業、運用、訓練、安全設備、建物の使用方法を説明するシステムまたは枠組みを指します。
このプログラムでは、BSL-3実験室の建設・設計、レイアウトおよびメンテナンス、BSL-3実験室の標準作業手順書(SOP)、BSL-3実験室への入退室手続きに関する実務、実験室での作業手順、バイオセーフティ/バイオセキュリティの基本原則の適用、サンプル取り扱いの全体的な流れ、その他日常的な実験作業など様々なトピックを扱いました。
UNAIR熱帯病研究所長のMaria Inge Lusida教授(Mkes., PhD, SpMK(K).)は、本プログラムがITDとBadan POMの双方に有益であると強調します。Badan POMはバイオセーフティレベル3の研究所建設に取り組んでおり、本実習が新研究所で安全を確保し研究や試験を行うための一助となることを期待しています。
加えて本プログラムは、Badan POMとITD-UNAIRがコミュニケーションを継続し、将来的に両機関のバイオリスク管理における技術力を相互に強化するための関係を構築する機会となりました。
UNAIRは、JICA/JST SATREPS(2010年~2014年)で建設されたBSL-3実験室を利用し感染症に関する調査・研究を行ってきました。また、長年にわたり神戸大学などとともにBSL-3実験室を運営・管理し、多くの日本人研究者と連携してきた実績を有します。インドネシアではBSL-3実験室の数が限られていることもあり、ITD-UNAIRの実験室は学習向けにも利用されています。