JICAプロジェクトがPV初級モジュールワークショップに協力

2022年3月11日

JICAプロジェクトとインドネシアFDAは、医薬品安全性の強化に向けたPV能力の向上を目指し、PVレベルに分けたモジュールの第1弾として「ファーマコビジランス(PV)初級モジュールワークショップ」を実施しました。PVワークショップ2020では、参加者から理解を深めるためにレベル分けされたPV学習教材に対する要望がいくつか上がっていました。初級レベルのモジュールは、製薬企業、BPOM担当者、特に医療施設の医療従事者が有害事象報告の質と量などPV活動を増加・強化するための指針となることが期待されます。

本ワークショップは、ガジャマダ大学薬学部のズリエス・イカワティ教授と健康管理コンサルタントのアフマッド・ヒダヤット博士を講師に迎え、完全オンラインで開催されました。BPOM職員、製薬会社、医療従事者など85名が参加しました。JICAプロジェクトのチーフオフィサーである佐野喜彦氏は、インドネシアFDA、医療機関、製薬会社は実際の臨床現場でのデータを確認する意識を持つべきであると述べました。PVを活用し、ワクチンを含む医薬品の安全性の開発に成功すれば、安全性は確実に向上し、より安心なものになると述べました。医薬品、麻薬、向精神薬、前駆体、中毒性物質の安全性、品質、輸出入管理課長であるアスティ・イスナリアニ氏は、参加者が有害事象や副作用の報告に関する知識を高め、次の中・上級レベルのPVワークショップシリーズにも参加することを期待すると述べました。また、インドネシアの公衆衛生保護として患者の安全性に貢献するため、PVの実施を通じてインドネシアの医薬品安全性のモニタリングに協力するよう、すべての参加者に呼びかけました。

講義は、PVの定義とサリドマイドの悲劇に由来するPVの歴史的起源に関するアフマッド・ヒダヤット博士の説明から始まりました。この悲劇から学ぶことはこの医薬品が承認された際に科学的根拠が限られていたため、いくつかのリスクが認識されていなかったということでした。その結果、臨床の現場で様々な影響が現れました。そして、このような事態を二度と起こさないために、市販後のモニタリング活動を行うことの重要性が強調されました。ズリエス・イカワティ教授は、医療従事者、製薬会社、または個人の評価に基づいて、有害事象報告を予想されるものと予想されないものに分類する方法を示しました。続いて午後のセッションでは、有害事象や副作用の報告に関する規制について説明がありました。最後のセッションでは、その手続きについて説明がありました。

ワークショップの最後には、e-MESOのウェブサイトを使った有害事象や副作用の報告のシミュレーションを行い、主催者側は参加者それぞれのグループディスカッションをサポートしました。ディスカッションでは、製薬企業や医療従事者から、有害事象の報告やe-MESOで求められる手続きを行うことの難しさについて懸念する声が聞かれました。そのためにも今回のモジュールが有害事象や副作用の報告について理解を深めるためのPV学習教材として活用されることが期待されています。

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ズリエス・イカワティ教授 ガジャマダ大学薬学部

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マヤグスティナ・アンダリーニ BPOM麻薬・向精神薬・前駆体・中毒性物質管理担当副長官

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アフマッド・ヒダヤット(Ahmad Hidayat)博士 健康管理コンサルタント

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トリ・アストゥティ 医薬品・麻薬・向精神薬・前駆体・中毒性物質の安全性、品質、輸出入管理担当局長

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佐野喜彦 JICAプロジェクトチーフオフィサー

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有害事象シミュレーションセッションでのe-MESO(ウェブサイト)へのデータ入力作業

ズリエス教授とアフマッド博士によるレクチャーセッション

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