プロジェクト終了のお知らせ

2022年3月31日

JICA-BPOMプロジェクトは、予定通り2022年3月末で終了します。未曾有のパンデミックは、インドネシアを含むほとんどの国でJICA業務に支障をきたしました。日本政府の決定により、研修生の日本への渡航が制限され、日本からの専門家やコンサルタントの渡航も制限されました。そのため、JICAの知識共創プログラム（KCCP）による日本での研修（招聘）はすべて中止を余儀なくされました。

そこで、JICAはオンラインプラットフォームや、現地の専門家及びコンサルタントなど他の手段を活用したよる代替プログラムの提供を促進しました。JICAの長年にわたるインドネシア公的機関や大学との連携により、専門能力の向上や研究施設の整備が促進されてきました。本プロジェクトでは、そうした機関の協力を得てBadan POMに代替プログラムを提供することができました。

パンデミックの間、JICAのインプットによって影響を受けたもの、日本の専門家のインプットによって直接／間接的に影響を受けたものを含め、本プロジェクトが提供したすべてのオンライン／オフラインの代替プログラムは、資源集約的なものでした。これは、現地で利用可能な専門知識、人材、研究機関を活用し、現地で持続可能な自己主導型プログラムを実施するというJICAの目標に沿ったものです。

通常であれば, Badan POMは感染症対策の主流に位置づけられることはなかったでしょう。しかし、今回のパンデミックでは、Badan POMとBalai Besar POMの試験検査所は、COVID-19国家管理プログラムのための検査に従事することになりました。そこで、本プロジェクトは、試験所の能力と機能を強化するために必要な検査機器を提供し、また検査に必要な技術的支援を行い、インドネシアにおける感染症対策に貢献しました。結果として、スマラン、バンドン、バンダアチェ、ゴロンタロ、デンパサール、スラバヤ、マムジュ、マカッサル、マナド、マタラム、ランプン、メダン、ジャンビ、アンボン、ジャヤプラ、タラカン、及びBadanPOM（本部）の各試験検査所におけるPCRシステムおよび関連高度分析装置を用いた医薬品・食品検査能力の向上に寄与することができました。また、本プロジェクトは、中小企業にも焦点をあてました。中小企業の支援と食品安全監視の強化は、Badan POMの重要な役割の一つであり、教育・啓発用資料を作成して提供することは、関係者の技術的知識と技能を向上させることにつながります。そこで、農村のコミュニティにおける食品安全に対する意識を高めるため、村人たちが必要な知識を得て、食品安全に関する自発的な取り組みを促進するためのドキュメンタリー映画を制作しました。また、中小企業を監督する検査官の能力向上のため、全国の若手の食品検査官を支援する新しいインターネットベースの学習ツールとして、対話型e-ラーニング教材を開発し提供しました。

医薬品の安全性に関しては、COVID-19の発生期間中、当プロジェクトは一貫してオンラインPVワークショップを実施しました。これらのワークショップは、製薬企業、医療従事者、BB/BPOM（Badan POM 州レベルのBPOM支所）のファーマコビジランス（PV）に対する理解、能力、意識を高め、PV活動を実施することを目的としています。また、最近ではオンラインによる規制当局のためのPV査察ワークショップが開催され、日本の事例に関する議論や情報共有を通じて、PV査察に関するインドネシアFDA職員の能力向上に寄与しています。この分野での最後の活動は、PV基礎モジュールワークショップです。2020年に実施されたPVワークショップでは、参加者から、理解を深めるためにレベル分けされたPV学習教材を用意してほしいという要望がありました。基礎レベルのモジュールは、製薬企業やBPOM担当者、特に医療施設の医療従事者が、副作用報告の質と量などPV活動を増加・強化するための指針となることが期待されます。これを踏まえ、JICAプロジェクトとBPOMは、レベル分けされたPVモジュールの第1弾として、これらの関係者のPV能力を向上させ、医薬品安全性の強化を図ることを目的として、PV基本モジュールワークショップを実施しました。

活動の詳細は、以下のプロジェクトニュースサイトをご覧ください。