【第5号】2018年度 トライアルプロジェクト(試験栽培)乾季栽培を終えて

2019年1月7日

プロジェクトでは、対象農家グループの栽培技術・栽培管理方法の改善を目的としたトライアルプロジェクト(試験栽培)を実施しています。

プロジェクトニュース2号でお伝えした通り、2018年度は新たな31の農家グループ(256名)が、試験栽培(乾季)に取り組みました。

農家グループが栽培に取り組むのは、近代市場のニーズが高い作物、病気や害虫対策など栽培上の課題を抱える作物の9品目(チリ、トマト、パプリカ、ニンジン、インゲン、ブロッコリー、キュウリ、ビーフトマト、クリスタルグアバ)です。2018年4月頃から播種を始め、9~10月に収穫が行われました。

今年の乾季は、例年に比べ降雨量が非常に少なく、いくつかの作物の成長に影響を与えたものの、全般的には良好な結果となりました。インゲン及びきゅうりの栽培では、ネットを利用することにより収量、品質とも向上しました。また、ネットの使用により生育環境が改善し、農薬の使用量を削減することもできました。トマトの栽培では、苗畑での育苗方法を改善し、優良苗を選別して畑に定植することにより、収量・品質ともに向上しました。

一方で、トライアルプロジェクトを通じて今後の課題が明らかになったこともありました。例えば、ニンジンの栽培については、圃場の土壌の状態によって生育状況にばらつきがあることが確認されました。今後は、作付け前に土壌の状態を確認した上で、栽培方法の指導することにしました。

トライアルプロジェクトの圃場で収穫が始まった8月2日に、スーパーマーケットやレストランなどの近代市場の関係者(17名)を招き、第3回のビジネスフォーラム(収穫物の展示、商談会)を開催しました。商談会では、近代市場の関係者と農家グループとの間で、活発な意見交換が行われ、農家グループにとっては、近代市場の求める品質・出荷条件などを理解する良い機会となりました。中には、具体的な取引にかかる商談を進める農家グループもありました。中でも、プロジェクトで積極的に販売促進を行っている日本の品種のニンジンへ、スーパーやサプライヤーから強い関心が示されました。また、今年はインゲンの不作で市場価格が高騰していることもあり、プロジェクトで導入しているネットを利用した栽培方法についても多くのサプライヤーの関心を引き付けました。プロジェクトでは、今後も農家グループと近代市場を結び付ける活動を推進していきます。

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インゲンのネット栽培

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ビジネスフォーラム

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苗畑