津波対策の模型実験を実施中

2020年1月6日

現在、国際協力機構(JICA)が震災復興支援事業を展開しているインドネシアの中部スラウェシ州のパル湾では、今回発生した津波被害を受けて、将来の津波への対策として海岸沿いの嵩上げ道路を計画中です。この嵩上げ道路は、津波や高潮に対する堤防機能に加えて、道路機能も合わせた計画としているものです。

嵩上げ道路の高さの設定にあたっては、津波被害抑制の視点では極力高くしたい一方で、コストや景観の視点では極力低くしたいという、相反する要望が生じました。そのため、インドネシア政府の公共事業省は、この道路高さの妥当性確認と、現地に生育する樹木やマングローブなどの植生による津波軽減効果の確認を目的に、想定津波を再現した模型実験を行っており、本プロジェクトでは、日本国内の中央大学有川先生など有識者とJICA専門家チームにより、インドネシア政府の模型実験を技術的に支援しています。

この実験を通じて得られた知見は今後、インドネシア政府による嵩上げ道路の設計などに活用される予定です。

【画像】インドネシア政府がパル湾に計画中の嵩上げ道路と植生(樹木、マングローブ)配置イメージ

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バリにある実験用水槽の全景(全長40m,幅1m)、写真手前から波を送る

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模型実験断面(中央の緑が樹木、左が嵩上げ道路の模型、マングローブ模型は作成中)

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有川先生、JICA専門家チームによる実験指導の状況

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有川先生、JICA専門家チーム、インドネシア政府側実験担当者による討議