日本の土地改良区の知見をインドネシアで活かす-インドネシアにおける「効率的な配水操作と水利調整」とは-

2019年12月11日

国際協力機構(JICA)は、11月26日(火)~11月28日(木)まで、第2回目に引き続き、土地改良区関係者による調査団を派遣しました。「効率的な配水操作と水利調整」をテーマにした技術交流の締めくくりとして、インドネシア公共事業省での技術対話、東ジャワ州・チョロ地区等の現地視察、チョロ統合水利組合・東ジャワ州灌漑委員会との意見交換を行いました。

交流セミナーでは、日尼双方から2つずつの発表を行い、現地視察は、水不足に悩むチョロ地区等の灌漑施設を視察しました。今年は11月に始まる雨季に入っても、全国的に十分な雨が降らず、渇水が続いているであるため、国内最大規模のダムを有するチョロ地区でも、ダムや水路は干上がっている状態でした。こうした状況を踏まえ、水利組合の関係者と、渇水時における適切な水配分のための関係者間の協議の必要性等について意見交換を行いました。また、インドネシア側からは、日本における農地転用の規制や灌漑施設の維持管理方法、賦課金の高い回収率の実現等に関する質問があり、日本側からは、関連する法制度や土地改良区における管理体制等について具体的な事例を踏まえて紹介しました。

第1回から続く技術交流を通じて、インドネシアでは、水管理に係る組織強化や運営体制の改善、また、農家が知るべき情報の伝達体制を整備し、水管理の重要性に関する農家への意識付けと人材育成を進めることが必要であるという確認が出来ました。今後も、日本の水管理に関する知見をインドネシア側に共有しながら、更に日本とインドネシア両国の協力関係を強化していく必要があります。

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オノギリダムの視察

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現地で水利管理の説明を受ける

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干上がった水路を視察

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チョロ地区での意見交換

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ソロ市で現地交流セミナー

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技術交流セミナーで発表する福田専務理事

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技術交流セミナーで発表する森井部長