プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト
(英)Project for Capacity Development of ICU Using Telemedicine under COVID-19 Pandemic
(西)Proyecto para el Desarrollo de Capacidades de la UCI Utilizando la Telemedicina en el Marco de la Pandemia de COVID-19
(仏)Projet de Renforcement des Capacités des USI Utilisant la Télémédecine dans le Contexte de la Pandémie de Covid-19

対象国名

インドネシア他

対象国名(その他)

インドネシア、トンガ、パラオ、エルサルバドル、ボリビア、グアテマラ、メキシコ、モザンビーク、セネガル、フィジー
(注1)ケニアにおいては、技術協力「アフリカ保健システム強化パートナーシッププロジェクトフェーズ2」において本分野協力を実施中
(注2)バングラデシュにおいては、「バングラデシュ国 新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト(海外投融資附帯プロジェクト)【有償勘定技術支援】」において本分野協力を実施中

署名日(実施合意)

2021年9月29日

協力期間

2021年9月29日から2023年2月28日

相手国機関名

西ジャワ州インドネシア大学病院、南スラウェシ州ハサヌディン大学病院 他

背景

新型コロナウイルス感染症(以下「COVID-19」)の感染が世界的に拡大・長期化する中、途上国各国のUHCの達成に向けて感染症対策の拡充、保健医療システムの強化に迅速に取り組むことが急務となっている。中でも感染症の拡大が経済社会に与える影響が深刻、または今後の発生・拡大に懸念を有する途上国の医療現場での患者治療の対応能力向上は不可欠であり、各国医療現場での治療能力向上支援を迅速に展開する必要が生じている。
各国では日々感染症の状況が変化しており、比較的感染者数は抑制されつつも感染拡大に備えた体制強化が必要な国、感染者の拡大が続き、治療現場がひっ迫して、体制の増強が必要な国が存在し、いずれのケースにおいても、非常時に人々の健康と安全を守るための支援を最優先して取り組む必要がある。実際に未曽有の感染症が拡大する中で、途上国においては重篤患者やその恐れのある患者の治療を担う医師・看護師・医療エンジニア等の医療従事者の対応力が不足しており、また感染者を隔離して集中治療を行うことができる集中治療設備(Intensive Care Unit:以下「ICU」)も不足している。
かかる状況の下、「JICA世界保健医療イニシアティブ」の一環として、JICAは全世界「感染症流行時の遠隔ICU支援のあり方に係る情報収集・確認調査」を2020年12月より開始し、コロナ禍におけるICU支援ニーズを調査し、COVID-19拡大の中での移動や接触についての物理的な制約の下での遠隔を基本とする技術協力の在り方を検討した。同調査で確認されたニーズを踏まえ、本事業ではCOVID-19拡大の下に患者治療のための保健医療システムの強化が必要な途上国に対し、1)日本国内の集中治療専門医による現地医師や看護師等への研修・助言・指導を遠隔ネットワークの構築により実施する。また、2)現地治療機能強化のニーズが高い医療現場に対し、ICUに係る必要な医療機材を組み込んだ医療設備等の整備を行う。

目標

上位目標

新型コロナウイルス感染症をはじめとする重症患者を管理・治療するための医療サービス体制が確立される。

プロジェクト目標

対象病院において、新型コロナウイルス感染症をはじめとする重症患者を管理・治療するための集中治療医療サービス提供能力が強化される。

成果

1.対象病院における医療従事者が、集中治療分野の基礎と遠隔ICU通信システムの機能を理解し、D2D・N2Nの技術的助言・支援の受入準備が整う。
2.日本の集中治療専門医・看護師による遠隔でのD2D・N2Nの技術的助言を通じて、対象病院の医療従事者重篤患者の管理・治療能力が強化される。
3.遠隔でのD2D・N2Nの研修等及び技術的助言を効果的に運用するための、遠隔ICU通信システム及び臨時用ICU医療設備・資機材等の病院環境が整備される。

活動

1.日本の集中治療専門医・看護師による遠隔での、感染症診断・治療を含む集中治療に関する医学的事項、及び遠隔ICU通信システムの運用に関する研修等が実施される。
2.日本の集中治療専門医・看護師による遠隔での、D2D・N2Nの症例に対する技術的助言と能力強化プログラムが実施される。
3.遠隔ICU通信システム及び臨時用ICU医療設備・資機材等が導入される。

投入

日本側投入

1.専門家:日本の集中治療専門医・看護師(遠隔での集中治療に係る研修及び技術的助言)
2.供与機材:集中治療を対象とした遠隔医療通信システム(以下、「遠隔ICU通信システム」)及び臨時用ICU医療設備・資機材

相手国側投入

1.カウンターパートの配置
2.案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供など