医師・助産師・看護師会議が開催されました

2017年8月24日

プロジェクト活動の達成状況や今後の活動に向けて関係者間で情報共有するために、各県において会議を開催しました(2017年7月19日マフラック、同月20日デルアラ、8月1日イルビッド)。各県の保健局からは、保健局長(あるいは副保健局長)、プロジェクト支援対象の村落保健センター(VHC)に勤務する医師、助産師、看護師および母子保健スーパーバイザー、保健推進員が参加しました。本省からは、女性子供健康部長、モニタリング・スーパービジョン課長、母子保健スーパーバイザーが参加しました。

この会議では今年1月から暫時開始された家族計画・母子保健サービスの提供状況およびサービス利用者数、助産師の配置状況などの現状について共有されました。研修後には、本プロジェクトが重点的に支援している14VHCにおいて、家族計画サービスは全センターで提供されるようになり、また9つの重点VHCでは新たに助産師を配置するなどして、母子保健サービスも開始され、これらの地方部における住民にとってよりサービスにアクセスしやすくなりました。ヘルスプロモーション活動については、今年の4月から開始されましたが、7月までの3か月間(ラマダン期間除く)で、43回開催され、合計1,166人の住民が参加しています。テーマについては、家族計画、母子の栄養、貧血、喫煙の害などのニーズが高いようです。講師は、今までのところ主に助産師や看護師という女性保健スタッフであることから、参加者の87%は女性で、家族計画や栄養などについて熱心な質問が飛び交うとのことです。一方で、母子保健サービスについては、重点対象の14か所の内、5か所では助産師の支援が得られずまだ提供できない状況です。この問題についても、今回の会議では各保健局上層部から助産師のVHCへの派遣を増やす努力を続けるという前向きな決意が聞かれました。

3県の会議において、特にイルビッド県では、保健スタッフや保健推進員からこれまでのプロジェクト活動を通しての経験や成果について多くの報告が寄せられました。例えば、Abu Habeer VHCの看護師からは、自主的に看護師と助産師が一緒に地域に出向き、家庭訪問を行っているという頼もしい報告がありました。家庭訪問を通して住民の生活の場に赴き、住民の声に耳を傾けることによって、個々のニーズに対応できるだけではなく、その積み重ねによりその地域の潜在的な健康課題に気付くことができます。また、家庭訪問に限らずヘルスプロモーション活動によって、VHCの新しいサービスについて広報する機会になっていること、地域との信頼関係が深まっていること、その結果、以前よりVHCへの利用者が増えているという報告が複数の保健スタッフや保健推進員からありました。

このように、今回の会議でVHCのサービス向上とヘルスプロモーション活動との相乗効果によって、必要なサービスにアクセスする住民が増え、リプロダクティブヘルスや基本的な保健状況に関する意識・地域・行動の改善につなげていくという本プロジェクトの基本的理念による成果が現場レベルで発現している萌芽を見ることができたことは最も嬉しい発見です。今後も、このような経験の共有と発信の場を増やしていくことで、関係者の活動の活性化につながるのではないかと期待しています。

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医師・助産師・看護師会議(7月19日、マフラック県)

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医師・助産師・看護師会議(7月20日、バラク県デルアラ郡)

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医師・助産師・看護師会議(8月1日、イルビッド県)