6月から7月の主な活動まとめ

2019年8月21日

8月に入りヨルダンも夏本番です。当地の夏は湿気は低く過ごしやすいものの、日差しが強烈なので外出時は帽子とサングラスが欠かせません。今回は6月半ばの断食月明けのお祭りと8月半ばの犠牲祭の間に実施した主なプロジェクト活動をご紹介します。

1)雇用主向けセミナー
ヨルダンの民間セクターでは離職率の高さが問題になっています。頻繁な離職は求職者のキャリア形成を阻むだけではなく、企業が長期的な目線で人材育成に取り組めなくなる要因にもなります。本取り組みはキャリアカウンセリングを企業に紹介して離職率の軽減および生産性の向上に活用してもらう事、そして雇用事務所がこうしたサービスを民間セクターに提供している事を普段労働省との関わりがない事業所に知ってもらうことを目的に3カ所のパイロットサイトで実施しました。セミナーでは労働省職員のみならず既に当プロジェクトと連携実績のある民間企業の人事担当者にも話をしてもらうなど、民間セクター関係者がキャリアカウンセリングに興味を持ってもらえるようプログラムを組みました。

2)雇用事務所でのキャリアカウンセリング促進活動
雇用事務所での求職者対応にキャリアカウンセリングをより効果的に活用してもらうために、日本人専門家がパイロットサイトを巡回して労働省職員がカウンセリングセッションを実施するのを支援しました。

3)職業訓練校でのキャリアガイダンスセッション
昨年プロジェクトが実施したキャリアカウンセラー育成研修には将来の連携を見据えて職業訓練公社(VTC)の職員にも参加を呼び掛けていました。同研修をきっかけに労働省とVTCの間でキャリアガイダンスセッション実施に関する覚書が交わされ、現在パイロットサイトのカウンセラーがVTC管轄下の職業訓練校(VTI)においてセッションを実施しています。
いくつかのVTIではシリア危機で逃れてきた難民に訓練を提供している関係で、ヨルダン人訓練生とシリア人訓練生が一緒にセッションを受講して長期的なキャリア形成について考えるというセッションもありました。

4)雇用事務所およびキャリアガイダンスオフィスが雇用主と協働で実施したキャリアカウンセリング成功事例の発信
キャリアカウンセリングは求職者だけのものではなく、企業内における人材育成や人材定着にも効果があることをヨルダン国内の企業にアピールするために、雇用事務所およびキャリアガイダンスオフィスが雇用主と協働で実施したキャリアカウンセリングの成功事例を収集しました。一般的に、雇用事務所のサービスは「所詮お役所仕事だろう」というマイナスのイメージが強いのですが、パイロット雇用事務所から紹介された求職者の質の高さや定着率が高さに満足しているという企業の声が寄せられ始めています。プロジェクトではこういった雇用主の声を収集し、パンフレットにまとめて雇用主向けセミナーなどで配布して、ひとつでも多くの企業に質の高い雇用事務所のキャリアカウンセリングサービスを広めていく活動を行っています。

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雇用主向けセミナー

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雇用事務所でのキャリアカウンセリングの様子

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職業訓練校でのキャリアガイダンスセッション