第一回合同調整委員会(JCC)を開催しました

2022年6月3日

2022年3月、プロジェクトチームは、ヨルダンの首都アンマン市内の7校の小学校を訪問し、現状把握調査を実施しました。調査では、3年生(234名)と6年生(310名)を対象にした算数の診断テストや学校生活の満足度に係るアンケート、授業観察などを行いました。

算数の診断テストでは、対象学年の前学年までの範囲で、同国の教科書に基づいた基礎的な問題を中心に出題しましたが、各学年ともに平均正答率が3割程度であり、子どもたちの学びの深刻な状況を伺うことができました。また、アンケートでは、「授業中に指名されない」、「先生が自分の意見を聞いてくれない」と回答する児童が3割程度、「演劇やスポーツ等の学校のイベントは見ているだけで参加できない」と回答する児童が4割程度に上るなど、すべての児童が教育活動に参加できているわけではないという現状を知ることができました。授業観察では、教員達が工夫を凝らして児童たちの興味を惹きつけ、一見すると活発な授業が行われていたものの、多くの場合、アンケート結果に表れているように一部の児童しか学習活動に参加していないことが確認されました。

2022年4月4日に第1回合同調整委員会(JCC)を開催し、教育省事務次官や教育局長をはじめとする教育省内の関係部局の代表、JICAヨルダン事務所に上記現地調査の結果を共有するとともに、今後の活動計画について議論を交わしました。JCCメンバーからは「授業では様々な活動が取り入れられているものの、診断テストの結果は芳しくなかった。もっと『子どもの学び』に焦点を当てた介入・支援が必要だろう」という意見が挙がりました。

本プロジェクトの目的である「すべての児童が安心して楽しく参加し、必要な資質や能力を身に着けられる学習環境」をどのように実現していくか、引き続き、教育省と議論しながら具体的な活動計画を立てていきたいと思います。

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古川総括によるプロジェクト概要の説明