第一回本邦研修を実施しました

2022年12月14日

2022年10月12日から10月28日の約2週間、「学習環境改善を通じた初等教育退学抑止プロジェクト」の一部としてヨルダンの教育省職員と地方教育局のスーパーバイザーの合計12名を日本に招き、福井大学教職大学院との連携のもと本邦研修を実施しました。

研修では、ヨルダンの教育や参加者自身のこれまでの実践を振り返りながら、日本の教育への理解を深めました。また、福井県内の小中学校を訪問し、授業や課外活動を見学し、教員との意見交換や授業研究会を行いました。福井県の授業研究会では、「教員の指導技術」ではなく「子どもの学び」に焦点を当て、授業を振り返ります。これまで授業観察では教員に目を向けていた研修参加者も、次第に一人ひとりの子どもの発言や問題を解く様子などに注目するようになりました。研修の最後には、本研修を通して得た知見をどのようにヨルダンで活用するかをアクションプランにまとめ、発表しました。

研修参加者からは「『児童中心の学習環境』は理論として知っていたが、実際にそれを体現した日本の教育現場を見ることで、より深く理解できた」との声が多く聞かれました。また、授業外での活動や教育相談を含めた子どもの情緒面を育む教育の重要性も認識し、子ども一人ひとりの心のケアを意識した活動も取り入れていきたいとの意見もありました。

研修参加者はヨルダンに戻ってから、セミナー等の機会を利用して、本邦研修での学びを同僚に共有しているそうです。目指すべき学習環境についてプロジェクトメンバーと同じ視点を共有できた今、子ども一人ひとりを尊重した教育活動の実現に向け、共に活動を進めていきたいと思います。

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グループ討議では、教育実践経験を共有した

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校長から学校運営について聞く様子

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授業観察時に児童に自己紹介を行う研修員

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授業観察の様子。児童の発表を熱心に聞く

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授業研究会では、活発な意見交換が見られた