ひとりひとりの児童が尊重される学校づくりを目指して

2023年5月30日

PLEACでは、ひとりひとりの児童が個人として尊重され、必要なコンピテンシーを身に着け、快適に学校に通うことができる学習環境の実現を目指し、教員の指導技術や学級経営能力、校長の学校運営能力の向上などを目的とした研修やコーチングを実施しています。2023年3月には、学校現場での成果を確認するためにパイロット校を訪問し、授業観察を通してこれまでの教員・校長研修やその後のコーチング・メンタリングの成果を検証しました。

大きな変化が見られたのは教員の板書と児童のノートです。研修で導入・展開・まとめを意識した板書技術を学んだ教員は、事前に板書計画を準備し、それを基に授業を展開するようになりました。すると、板書を見るだけで授業の流れが一目瞭然でわかるようになります。児童のノートを見ると、それぞれの児童が自分の考えを整理したり、問題を解いたりするようになり、書く習慣もついてきたためノートをとるスピードも上がっています。また、授業の中で個別思考の時間やペアワーク、グループワークを効果的に設定している教員のクラスでは、ひとりひとりの児童が能動的に学習に取り組むようになり、教室にポジティブな雰囲気が生まれています。

2学期からは、学校ごとに選んだ活動、例えば日直や学級日誌、学級目標の設定などにも取り組み始めました。日直の児童は、教室の前に出てその日の目標や時間割、欠席の児童の確認をし、1日の終わりに学級日誌に振り返りを書いて担任教員に提出します。担任教員は毎日コメントを返します。これらの活動を精力的に進める教員は、「人前で話すことが苦手だった子どもも、自信をもって話すことができるようになってきている。また、子どもたちは他の子どもがどのようなことを発表するか興味津々で、自分の番が回ってくることを楽しみにしている。」と話しました。全児童が輪番で行う日直の活動は、教員と児童、児童同士の理解を深めることにも繋がっています。

今後は、授業研究による教員同士の学び合いの促進や、保護者会や授業参観を通じた保護者との連携強化など、学校運営能力向上に向けた取組みを強化する予定です。

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日直による授業前の挨拶

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日直が書いた学級日誌

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一部の子どもだけが進めるだけであったグループワークも、グループ全員で協働して取り組むようになってきた