メリア・ボルケンシーという樹種

2013年6月4日

本プロジェクトでは、乾燥地耐性があるMelia volkensii(以後メリア)という在来樹種を主な研究・普及対象にしています。メリアは日本のセンダン(Melia azedarach)によく似た樹種ですが、分布はケニアとその周辺の東アフリカに限られています。
本プロジェクトでは以下のような手順で事業を進めることとしています。
1)樹幹がまっすぐで生長が早いなど外見的に優れている個体(プラス木)をケニア東部の乾燥・半乾燥地帯に広がるメリアの分布域を回って選定する。
2)別途用意していたメリアの台木に、これらのプラス木から接ぎ穂を採集し、接ぎ木する。
3)接ぎ木苗を2箇所の採種園に植え、3年目以降これらから種子を得る。
4)この種子を植えて、プラス木の優良度合いを確認する検定林を造成する。
5)平行して、耐乾燥性についての生理学的な研究とDNA解析を行い、遺伝子レベルでの優良性を明らかにする。
6)優良性の明らかなメリアを展示林で紹介するとともに、セミナーや研修などを通じて植樹活動を行う農民や各種団体等に普及する。

5年間のプロジェクトでこれらの一連のステップを確実に踏みながら、ケニアにおいて優良な乾燥地耐性のあるメリアという在来樹種の中からさらに優れたものを選抜し、普及していきます。最初の接ぎ木作業は2012年8月から始まって、2012年11月と2013年1月に上記3)の植え付けが完了しました。

(おざわ・なるみ)

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メリアの花

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メリアの実

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メリアの発芽

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メリアの苗木

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メリアの苗木(植付け後)

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メリアの人工林

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メリアの加工材

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センダン(Melia azedarach)