虫害の発生

2014年5月15日

それは2013年の5月の終わりに、突然発生しました。毎週の巡回出張で、いつもの通りキツイの採種園に立ち寄ったところ、維持管理を担当している作業員が、血相を変えて飛んで来ました。
「大変です!先週から少しずつ発生していた羽虫が、今週になって爆発的に増えて、メリアの苗木の若葉を食い尽くし始めました!」

彼が、被害が一番ひどいという採種園北側に駆け付けたところ、横一列60本の植栽木の3列目くらいまで、羽虫の攻撃を受けて葉を黄変させたり、落葉させたりして、痛々しい姿になっていました。そしてよく調べてみると、その被害は外縁部から中心に向って急速に採種園全体に広がりつつありました。

この事態を受けて早速対策が講じられました。スプレーや根元から吸わせる形で殺虫剤が全植栽木に処置されました。その甲斐あって、約1か月後には虫害の進行は止まり、早いものは新たに健康な葉をつけ始めました。ダメージを受けるもの早かったですが、立ち直りも早いのが、メリアのたくましいところです。
KEFRIの昆虫学者に種名の確認を依頼しましたが、おそらくErythroneurini(ウンカ・ヨコバイの類)の一種で、海外の研究者にも聞いたが未記載の種ではないかとのことでした。

幸い、このような虫害はキツイ採種園で発生しただけで、キブウェジ採種園は無事ですが、いつなんどき突然発生するかも知れず、注意は怠れません。

(なるみ)

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虫害に罹った苗木の葉

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葉は黄変し、表面には黒斑点が見られる

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北側の約100本は葉が全て落ちる深刻な被害

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羽虫の正体(体長8ミリメートル程)

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薬剤のスプレー散布(処置第1段)

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薬剤のドレンチング(処置第2段)

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薬剤処置前

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処置後(先端には新しい緑の葉)