メリアの個体差

2014年5月15日

キツイとキブウェジの採種園には、それぞれ合計100系統のメリアのクローンが植栽されることになっていて、第1年目は60系統、第2年目と第3年目はそれぞれ20系統というように植栽されます。両採種園の自然条件は、乾燥の強さ等若干違いがありますが、同じ系統のクローンは、ほぼ同じ傾向を示しながら成長しています。

例えば、上に伸びるのが飛び抜けて早い系統もあれば、横に広がりがちな系統も有ります。ですから、樹形は実にバラエティーに富んでいます。葉の形も丸っこいものもあれば、長めのものもありますし、葉の密度も、濃い物や薄いものなど実に様々です。植栽してまだ1年も経っていないうちから、花を付けて実を結ぶ早熟な系統もあります。一方で、現時点では成長が他よりも遅いけれど、じっくりと時間をかけて他よりも立派に育ちそうな「大器晩成型」の片鱗を見せている系統もあります。

というふうに、メリアという樹種は個体差が実に大きいことを感じます。1つの採種園に合計3000本のメリアが植わることになりますが、その世話をしていると、3000人の園児を抱える保育園の職員になったような気がします。褒められて伸びるタイプもあるでしょうから、たくさん褒めてあげようと思います。

(なるみ)

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三角形に枝を張る個体

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下枝が徒長して地面に着いてしまった個体

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ボールの様に丸くまとまる個体

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植栽後約10か月で花を付ける個体

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丸い葉で密度が濃い個体

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長めの葉で標準的密度の個体

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植栽後1か月半で既に130センチメートルの個体

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植栽後1年で根元周囲長が50センチメートル超の個体