チームビルディング・ワークショップ

2015年10月1日

ケニアと言えば、サファリツアーを連想する方が多いと思いますが、ケニアの東側はインド洋に面しており、モンバサやマリンディといった有名なビーチリゾートもあります。そのエリアにゲデ(Gede)という小さな町があって、そこにはケニア森林研究所(KEFRI)の地域センターがあります。このエリアはもともとメリアの分布地域ではないのですが、私たちのプロジェクトの進展を評価した同研究所は、このエリアでもメリアのトライアル植栽を独自に始めました。その状況視察や意見交換を兼ねて、プロジェクトの関係者全員を対象に、2014年8月末にゲデでチームビルディング・ワークショップを開きました。

このタイミングは、プロジェクトが始まってから丸2年が経過したところでした。私たちのプロジェクトには、DNA解析、育種、乾燥地耐性、普及などの分野があるのですが、それぞれの仕事量が非常に多く、分野を跨いでの連携をとる余裕がなかったことが懸案でした。また、活動拠点も、ナイロビ、キツイ、キブウェジとそれぞれ遠く離れているので、自分たちのプロジェクトにどんな人がどのように関わっているのか、漠然としていました。そこで、活動の佳境に入る第3年目に備えるという意味で、それまでの進捗を分野ごとに総括し、その成果や問題点を共有して、プロジェクトチームとしての全体の結束を図る場を持つことになったのです。

プロジェクト管理者や研究者だけではなく、経理担当などの事務スタッフや、ドライバーなど、プロジェクトを陰で支えてくれているメンバーも参加して、総勢約50人でのチームビルディング・ワークショップとなりました。プロジェクト成功の3大要素は、ヒト、モノ、カネとよく言われますが、最も大事な要素はやはり「ヒト」ではないでしょうか。プロジェクトマネージャーのガブリエル・ムツーリ氏は、「私たちは、仲間としての単なる集まりであるグループではなく、共通の目的を持った有志の集まりであるチームにならなければならない。」と、参加者全員に呼びかけました。

このワークショップを通して、プロジェクトの全体像と現状が理解、共有され、プロジェクトのために自分が何をしなければいけないのかを、参加者全員が認識できたと思います。そして、ゲデのメリアトライアルを一緒に見て回ったり、余暇にビーチでくつろいだりしながら、チームワークの意識を高めました。節目の機会にまたこのような有意義な場を持ちたいものですが、残念ながらケニアのコースト地域は、たび重なるテロ等による治安悪化の影響で、このワークショップの直後からJICA関係者は立ち入り禁止となってしまい、解禁の見通しは全く立っていません。早く治安が回復して、平和になってほしいものです。

(なるみ・たけだ)

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KEFRIゲデ地域センターはアラブ風

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ワークショップ参加者の中には初顔合わせも

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ようこそゲデへ!と、ンムビ所長の挨拶

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他分野の説明に聞き入る参加者の皆さん

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海岸付近の密林に分け入り植生視察です

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ビーチに茂るマングローブも視察しました

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メリアのトライアル植栽サイトの見学です

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夕方にはユーカリ植栽地を見学しました