ケニア森林研究所(KEFRI)30周年

2017年7月18日

2017年6月22日に、本プロジェクトのメインカウンターパート機関であるケニア森林研究所(KEFRI)が設立30周年の記念式典を催しました。環境・天然資源大臣をはじめ、歴代のKEFRI所長や幹部職員、ボードメンバー、日本大使館代表、JICAケニア事務所代表、農家を含む業務上のKEFRI関係者等々、100人以上が参列した盛大な式典でした。設立当時、その大部分の施設整備には日本のODAが利用されたこともあり、各来賓のスピーチには日本国民への感謝の言葉がちりばめられていました。

実は、ケニア森林研究所は1986年にケニア農業研究所から独立して成立したので、正確には今年は31周年になるはずなのですが、そこはご愛敬です。とにもかくにも、30年周年記念式典に出席して、この間に蓄積されてきた実績は偉大なものだとつくづく感じさせられました。本プロジェクトは、この5年間、ほぼ計画通りに遂行され、所期の目標を概ね達成できましたが、これは本プロジェクトだけで為し得た仕事ではないと断言できます。本プロジェクトの日本側実施機関である林木育種センター(FTBC)の生方部長がいみじくもおっしゃいました。「我々が5年間でここまで来られたのは、先代のプロジェクト関係者の皆様が営々と積み重ねてきたノウハウ、そして信頼関係があったからこそです。」そういう意味で、この30年間の歴史の重みを感じ、先代の方々のご努力に心底敬意を表します。

継続は力なりとよく言われます。ケニアの林業分野においてこの30年の協力で築いてきた実績は、決してお金で測れるものばかりではありません。遠く離れたアジアの人間とアフリカの人間が、共に汗を流し、時にはぶつかり合い、時には肩をたたき合いながら、同じ目標に向かってひたむきに歩み続けてきた結果です。本プロジェクト終了を前に一番強く願うのは、この実績が更に効果的に積み上げられ、我々の子孫のためにより一層の貢献が為されて欲しいということです。そして、ケニア森林研究所が50周年を迎える暁には、改良メリアやアカシアがケニアの乾燥地・半乾燥地を緑で覆い、ケニアの人々がその恩恵を享受できるようになっていて欲しいと夢見ているのです。

(なるみ・たけだ)

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ケニア森林研究所30周年を報じる地元新聞

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ケニア森林公社(KFS)総裁の祝辞

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ケニア森林研究所第2代目所長の祝辞

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JICAケニア事務所次長の祝辞

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環境・天然資源大臣の祝辞

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ケニア森林研究所30周年記念印刷物公開

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来賓も職員も参列者全員で30周年を祝福