REDD+準備段階コンポーネントにおける第4回MRV研修の開催

2021年7月1日

2021年7月7日から9日

CADEP-SFMは、2021年7月7日から9日の3日間に、ナクルのAlpsホテルで第4回MRV(注1)研修(上級)を実施しました。MRVはREDD+(注2)による炭素排出量の削減活動の透明性を担保し、活動の持続性を確保する一つの取り組みです。MRV研修では、REDD+の概論やMRVの特にM(測定・モニタリング)に関する方法論を習得して、ケニア国のREDD+の取り組みで求められるMRVを適切に遂行できる人材の育成を図ります。

本研修は、2020年1月に実施した第3回MRV研修(上級)の内容と同等のものとして実施され、より高度なMRVに関する知識と技術の習得、ケニア国内のREDD+準備状況の把握を目指しました。研修対象者は、第1回(2017年)及び第2回(2018年)MRV研修(初級)の修了者で、そのうち第3回の研修参加者は除かれました。

ケニア国は、過去の森林に由来する炭素排出量の推計値をベースにFRL(注3)を開発し、2020年1月にUNFCCC(注4)へ提出しています。今後、REDD+活動の実践においては国内の炭素排出量の測定を継続し、FRLとの差分に応じた成果払い等に繋げていくことが求められます。本研修では、ケニア国のFRL設定の方法論を研修生へ講義するとともに、今後のモニタリング活動として重要となる森林インベントリ調査手法についてもプロット設定や立木測定の手法を現地で実習しました。

今回の講義で利用した資料や現地実習で利用したマニュアル等は電子データで配布しており、研修生の自己学習や、研修生の各配属先での情報共有に利用されREDD+の取り組みが普及されることを期待しています。

プロジェクト終了後も活動の持続性を確保するためには、ケニア国のREDD+活動を理解し、活動の継続を可能とする人材の育成が求められます。第1回から4回MRV研修の修了者がケニア国内のREDD+活動で活躍するとともに、後進の育成にも貢献することが期待されています。

(注1)Measurement Reporting Verification:測定・報告・検証
(注2)Reducing Emissions from Deforestation and forest Degradation and the dole of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries:途上国における森林減少・森林劣化からの排出削減、および森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化
(注3)Forest Reference Level:森林参照レベル
(注4)United Nations Framework Convention on Climate Change:国際連合気候変動枠組条約

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講義の様子

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樹高測定機器を用いた実習

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プロット設定・立木調査の現地実習

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現地での集合写真