プロジェクトニュース26号

2022年11月1日

第2バッチのカウンティで農家を対象としたベースライン調査を行いました!

初めまして!JICA本部からOJTでSHEP Bizプロジェクトに参加していますKwamboka、またの名を黒住知代です(調査中に農家さんからKwambokaという名前をもらいました。遠くからやって来た人、という意味だそうです)。

今回は、10月25、26日にニャミラカウンティで行われたベースライン調査の様子をOJTの目線でお届けできればと思います。

同行したのは、ケニア北西部にあるニャミラカウンティでの調査で、2つのサブカウンティで1日ずつ、計2日農家のベースライン調査を行いました。1回の調査では、4名×5グループの計20名の農家が参加し、各グループを1から2名の農業普及員がサポートします。1)作物生産と収入、2)園芸作物栽培・収穫後に適用する技術、について調査を実施しました。

ベースライン調査をもう少し詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

私は今回初めて農村部のプロジェクト活動に参加しましたが、参加者同士で協力し合い、本調査から得た学びをアウトプットする姿を見て、農業行政官、普及員、農家のプロジェクトへの意欲と期待を実感しました。

1つエピソードを紹介したいと思います。

日頃の記録をつけていない多くの農家は、作物の情報や収支を1つずつ思い出しながらフォームを埋めていくため、作物生産と収入の調査はある程度時間がかかります。その中に1人、フォームをすぐに書き終えて隣にいる農家を手助けしている女性農家を見つけました。話を聞くと、以前から作物栽培の情報、経費、売り上げを記録しているとのこと。
農家全員のフォーム記入が終わった後に、自分がどのように記録をつけているのか、参考として発表してもらうことにしました。最初は恥ずかしそうにしていたものの、前に出ると堂々とした説明ぶりです。他の農家たちは耳を澄まして聞いています。中には聴きながらメモを取っている農家もいました。
そして、発表し終えた彼女には大きな拍手を送られました。農家たちの真剣な眼差しと拍手は、記録をつけることの大切さを学んだからこそのものであり、これからの自分の行動を変えていくぞという決意の表れのようにも思いました。

一方で農家の中には、「今から市場調査をしても、作物を収穫する頃には市場の状況も変わっているのではないか」「土壌診断が重要なことは分かったけど、やり方も診断結果の活用方法もよくわからない」といった不安をこぼす方もいます。

ベースライン調査が終われば、次は種会社、肥料会社などビジネス関係者とのお見合いフォーラム、さらに、市場調査、ジェンダー研修、技術研修等が予定されています。今農家が抱えている問題意識に対し、農業行政官、普及員、農家グループのリーダー等はどのように向き合い、アプローチできるか、そして農家1人1人の意識がどう変わっていくのか、今後のプロジェクト活動の動向を楽しみにしたいと思います!そして残りのOJT期間は短いですが、私はどのように貢献できるのか、引き続き考えたいと思います。

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農業普及員は農家が育てている作物の種類や農地の面積について質問し、農家が正確な情報をフォームに記入できるようサポートします。

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以前から記録をつけている女性農家に、参考事例として自分の記録方法を紹介していただきました。

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フォームの記入を終えた後、何人もの農家が自分の気づきを共有してくれました。

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調査の終わりには今後の活動予定と農家自身の主体性の重要性についてカウンターパート(農業省職員)が説明しました。

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カウンティ行政官は、農家が記入したフォームを確認しながら、データシートに情報を転記していきます。