橋梁補修パイロット工事(ステージ1)の実施

2022年4月10日

2022年4月10日に、橋梁補修パイロット工事(ステージ1)を実施いたしました。パイロット工事は下記の通り3つのステージを予定しており、ステージ1は性能規定型維持管理契約(PBC:Performance Based Road Maintenance Contract)の一部として、簡易な補修や橋梁の環境整備を目的とした内容となります。

実施時期(ケニア会計年:7月~6月) ステージ 概要 対象橋梁
2021/22会計年 ステージ1 簡易的なスポット補修、道路維持管理契約(PBC)を活用した橋梁の清掃・点検、環境整備 Ruilu橋(今回)
Kamulu橋
Mbita橋
2022/23会計年 ステージ2 交通規制を伴わない、構造的な補修(予定) 検討中
2023/24会計年 ステージ3 交通規制などより総合的な管理を伴う橋梁補修(予定) 検討中

【実施体制】
施工監理:ケニア国道公社(KeNHA)、JICA専門家チーム
工事契約:既存のPBC
実施者:PBC受託企業
協力者:Sika Kenya Limited

【パイロット工事項目】
断面補修1か所
橋脚周辺清掃
橋面清掃
簡易点検

KeNHAでは性能規定型維持管理の適用が管理道路の5割を超えております。維持管理契約には橋梁のジョイントや路肩の堆砂清掃、軽微な補修などがスコープに入っていることから、本パイロット工事ではこれらの契約を利用し、PBC受託企業による補修をデモンストレーションすることで、KeNHA管轄のPBC契約が適用される道路にかかる橋梁の維持管理向上につなげることを目的としています。また、今回のパイロット工事を参考に、現在取りまとめている補修マニュアルや積算マニュアルの歩掛の参考とする予定です。

今回のパイロット工事はナイロビ市内のThika Super Expresswayにかかる跨道橋であるRuiru橋にて実施をいたしました。対象とした橋梁はトレーラの衝突によりコンクリート桁の断面が欠損しているとともに土砂などの堆積により目視点検も困難な状態でした。Thika道路の交通量の少ない日曜日の早朝に補修時間を調整し、従前よりKeNHAと協議を重ね、施工の手順、交通規制の手順、高所作業車の手配などを行いました。

工事は材料(無収縮モルタル)をJICA専門家チームが提供、作業員および工事に要する資材をPBC受託企業が提供、交通管理をKeNHA、施工監理をKeNHA職員およびJICA専門家が協同で実施し、橋梁補修SWGメンバーが現場を視察する形で行いました。朝8時から着工し12時に完了をいたしました。

ステージ1のパイロット工事は本橋梁以外に2橋を予定しており、PBCを通じた軽微な橋梁補修と清掃などによる環境整備が広まるよう引き続き継続する予定です。

写真

【画像】Ruiru橋梁全景

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断面補修前

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断面補修(作業中)

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断面補修後

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支承周り(清掃前)

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支承周り(清掃前)

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支承周り(清掃後)

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支承周り(清掃後)

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交通規制の様子

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交通規制の様子