橋梁補修パイロット工事(ステージ1)の追加実施

2022年6月22日

2022年5月25日~6月22日

2022年5月25日~6月22日のうち3日間、橋梁補修パイロット工事(ステージ1)を追加実施いたしました。本パイロット工事は、性能規定型維持管理契約(PBC:Performance Based Road Maintenance Contract)の一部として、簡易な補修や橋梁の環境整備を目的とした内容としたステージ1として、Kalumu橋を対象としたものです。

実施時期(ケニア会計年:7月~6月) ステージ 概要 対象橋梁
2021/22会計年 ステージ1 簡易的なスポット補修、道路維持管理契約(PBC)を活用した橋梁の清掃・点検、環境整備 Ruiru橋
Kamulu橋(今回)
2022/23会計年 ステージ2 交通規制を伴わない、構造的な補修(予定) Mbita橋
Kithyoko橋
Nguutani橋
Ruiru橋炭素繊維
2023/24会計年 ステージ3 交通規制などより総合的な管理を伴う橋梁補修(予定) 検討中

【実施体制】
施工監理:ケニア国道公社(KeNHA)、JICA専門家チーム
工事契約:既存のPBC
実施者:PBC受託企業

【パイロット工事項目】
橋面清掃(2022年5月25日、6月3日、6月22日の3日)
踏掛版側面の保護工(2022年5月25日)
桁端部・支承周りの清掃(2022年6月3日)

KeNHAでは性能規定型維持管理の適用が管理道路の5割を超えております。維持管理契約には橋梁のジョイントや路肩の堆砂清掃、軽微な補修などがスコープに入っていることから、本パイロット工事ではこれらの契約を利用し、PBC受託企業による補修をデモンストレーションすることで、KeNHA管轄のPBC契約が適用される道路にかかる橋梁の維持管理向上につなげることを目的としています。また、今回のパイロット工事を参考に、現在取りまとめている補修マニュアルや積算マニュアルの歩掛の参考とする予定です。

今回のパイロット工事は、Lower Eastern事務所が管理するKangundo RoadにてMbagathi川を渡河するKamulu橋を対象としており、ナイロビ中心部より東方へ約30キロメートルの地点にあります。
Kamulu橋は4径間単純鋼鈑桁橋であり、主桁4本でRC床版を支持する構造となっています。幾度もの車道部アスファルト舗装のオーバーレイにより、路肩部(地覆~舗装端、幅約1.0メートル)では地覆天端高さ(高さ約20センチメートル)まで土砂などが堆砂しており、排水装置と伸縮装置の状況を目視確認することができない状況でした。片側交互規制を実施して作業員の安全を確保した上で、片側ずつ路肩の堆砂を除去しました。堆砂は堅く締め固まっていたため、想定より多くの時間と労力を要し、積算マニュアルの歩掛に反映する予定です。

あわせて、踏掛版下の土砂流出対策として、踏掛版側面にメーソンリー工(注)による保護工を設置し、雨季に備えています。

桁端部及び支承周辺の清掃は、左岸側の橋台を対象に実施し、大量の土砂などを除去し、桁端部および支承周辺の目視点検が可能となりました。

一方、前回実施したパイロット工事(ステージ1)のRuiru橋では高所作業車を用いた断面補修時に、主桁鉄筋の破断が確認されたため、炭素繊維による補修補強を次会計年度に計画しています。

したがって、ステージ1のパイロット工事はRuiru橋と本橋の2橋とし、次会計年度にMbita橋、Kithyoko橋、Nguutani橋の3橋に加えてRuiru橋(炭素繊維)の合計4橋を対象として予定しており、PBCを通じた軽微な橋梁補修と清掃などによる環境整備が広まるよう引き続き継続する予定です。

(注)メーソンリー工:レンガ、石、ブロックなどをモルタルで補強した構造

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路肩の清掃前の状況

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路肩堆砂(作業前)

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路肩堆砂の除去状況

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片側交互交通規制状況

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路肩の清掃後の状況(路肩)

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路肩の清掃後の状況(地覆)

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路肩の清掃後の状況(排水管)

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路肩の清掃後の状況(伸縮目地)

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踏掛版周辺(着手前)

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メーソンリー工(作業中)

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メーソンリー工(完成)

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路面部の保護工

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清掃の使用資機材

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清掃作業状況

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橋座面(清掃前)

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橋座面(清掃後)

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橋台前面の清掃

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桁端部(清掃後)