Training of Trainers (TOT)の開催

2023年6月23日

2023年6月12~23日の計10日間、ナクル市の会議室において、橋梁維持管理に係る橋梁点検及び補修技術を、関係省庁や民間企業に教える指導者を育成するためのTOT(Training of Trainers)を実施しました。今回の参加者は、実施機関である運輸・インフラ・住宅・都市開発・公共事業省、ケニア道路基金、ケニア高速道路公社、ケニア地方道路公社、ケニア都市道路公社、ケニア野生生物公社、ケニア道路・建築技術院、材料試験研究所、国家建設公社より計26名の技術職員です。前半(6/12-16)の5日間は橋梁点検、後半(6/19-23)の5日間は橋梁補修に特化したトレーニングを実施しました。

橋梁点検のトレーニングでは、橋梁に関する知識の醸成、損傷の種類及び現場実習での点検ポイントを、橋梁補修のトレーニングでは、各損傷に応じた補修工法の選定手法および部材別の補修工法を学びました。さらに、これらのトレーニングで活用した資料のレビューも併せて実施しました。どのような資料であれば学ぶ側にとって分かりやすいかを追求し、白熱した議論が繰り広げられました。

今回、講義やレビューの他に、グループワークとして、パスタの乾麺を用いた「パスタ橋梁耐荷力コンテスト」を行いました。これまでに学んだ橋梁の構造形式や応力のかかるポイントを踏まえ、最も耐荷力の高い橋梁を決めるものです。7グループに分け、講義の合間に作成した各パスタ橋梁は非常に素晴らしく、耐荷力の高いものに仕上がっておりました。どこに負荷がかかっているのか、弱いところはどこかを学ぶことが出来、充実したトレーニングとなりました。

今回は、AfDBプロジェクトが提案している「橋梁損傷カタログ」について、集中的に議論しました。一方的な説明に終始しないよう、JICAプロジェクトからの指摘事項は事前にKeNHAに共有することにより、KeNHAが積極的に議論に参加し、理解を深めることを重視しています。損傷の定義、健全度の評価方法、ケニアの橋梁の特性など、多岐に渡った議論が交わされました。これらの議論を基にマニュアルの改善が行われる予定です。

今後は、教授法トレーニングをケニアの講師育成機関から実施し、模擬トレーニングをへたのちにパイロットトレーニングを実施し、CP機関への展開と、講師数のストックを増やす計画です。

【画像】講義の様子

【画像】橋梁点検現場実習

【画像】パスタ橋梁を利用した研修