Training of Trainers (TOT)の開催(指導法およびKIHBT講師育成)

2023年8月18日

2023年6月12~23日に開催したTOTに引き続き、SWGメンバー(マスタートレーナ)向けに下記に示すTOTを開催し橋梁維持管理に関わる講師育成を実施いたしました。TOTは、橋梁点検・補修の技術的内容と指導法(今回)の2部で構成されています。

さらに、プロジェクト終了時に本研修を引き継ぐケニア道路・建築技術院(KIHBT)の講師向けのTOTをマスタートレーナが講師となり実施いたしました。

①Training of Trainers (TOT)「指導法研修」の開催(2023年7月31-8月4日)

2023年7月31-8月4日の計5日間、ナクル市の会議室において、橋梁維持管理に係る橋梁点検及び補修技術を、関係省庁や民間企業に教える指導者を育成するためのTOT(Training of Trainers)「指導法研修」を実施しました。今回の参加者は、実施機関であるケニア高速道路公社(KeNHA)、ケニア地方道路公社(KURA)、ケニア都市道路公社(KeRRA)、ケニア道路・建築技術院(KIHBT)、州道路局(SDoR)、国家建設公社(NCA)、材料試験研究所(MTRD)、ケニア道路基金(KRB)の計19名の技術職員です。ケニア技術職業教育学校(KsTVET)の講師に依頼し、指導法を学びました。

TOTの指導法では、2017年頃からケニアで取り入れられている「能力に基づくトレーニング(Competency-based Education and Training: CBET)」を反映した内容としています。このトレーニングは、業務での必要なスキルや知識を効果的に習得するための方法です。従来の技術教育は、講師側からのインプットを中心とした教育法でしたが、この指導法は、学習者を中心としたグループワークやアクティビティを増やし、実技などを通して、科目の習熟度、知識の強化を図り、学習者の理解度を高めることを目指しています。また、習得した知識をいかに実践するかに重きが置かれています。

研修参加者は指導法を学んだ後、教材の分析、授業計画の作成、そして模擬授業を行いました。また、講義にどのようなアクティビティを取り入れ、どのように説明するか、視覚教材を用いて学ぶ側にとって分かりやすさを追求し模擬授業を実施しました。その後、フィードバックを交換することで自らの授業を客観視し、改善点の糸口を見つけていきました。

②ケニア道路・建築技術院(KIHBT)職員へのTOTの開催(2023年8月7-8月18日)

2023年8月7-8月18日の計10日間、ナクル市の会議室において、ケニア道路・建築技術院(KIHBT)の土木工学科の職員21名を対象にTOTにおける橋梁点検・補修に特化したトレーニング(8/7-8/11)と指導法(8/14-8/18)を実施しました。

橋梁点検・補修に特化したトレーニングの講師は、TOTを修了したマスタートレイナーから選定しました。指導法(8/14-8/18)については、前回と同様、ケニア技術職業教育学校の講師に依頼しました。

橋梁点検・補修に特化したトレーニングの講師は、学んだ指導法を基にグループワークやアクティビティを講義に含め、学習者の理解度を確認しながら講義を進めていきました。また、ケニア道路・建築技術院の職員は、橋梁維持管理に係る橋梁点検及び補修技術の知識を習得するとともに、講師に多くの質問をして知識の習得に励みました。さらに、能力に基づくトレーニングを取り入れた指導法を学び、教材の分析、授業計画の作成、そして模擬授業、フィードバックを行いました。

TOTを修了した者(19名+21名の計40名)をマスタートレーナとして、今後は、CP機関、民間企業への展開を図り、マスタートレーナの指導力の向上、そして、関係省庁、民間企業の知識、技術の向上を図る計画です。

【画像】指導法の講義の様子(2023年7月31~8月4日)

【画像】模擬授業の様子(2023年7月31~8月4日)

【画像】模擬授業内でグループワークをしている様子(2023年7月31~8月4日)

【画像】橋梁点検現場実習で目視により損傷個所を確認している様子(2023年8月7日-8月11日)

【画像】模擬授業の様子(2023年8月7日-8月11日)