橋梁点検車両を活用した長大橋梁の点検訓練の実施

2023年10月12日～10月24日にかけ、JICAより供与した橋梁点検車両を活用した長大橋梁の点検訓練を実施いたしました。本プロジェクトのカウンターパートであるケニア国道公社（KeNHA）は約1900の橋を管理しています。これらの橋梁の約半数は桁高が5mを超え橋梁点検車両による点検が有効と考えられます。2023年3月には、供与された橋梁点検車両の基礎的な操作訓練や、点検の訓練を実施しました。今般、その経験を活かし、日本の支援により建設されたコンクリート長大橋梁2橋の点検訓練を実施しました。
点検訓練の工程は下記に示す通りです。コンクリート長大橋梁のSabaki橋梁とKilifi橋梁の点検を実施しました。どちらも河川をまたぐ支間の長い橋梁であるため、橋梁点検車両での近接点検が重要となります。両橋梁とも2車線対面通行の橋梁のため、1車線の交通規制を伴う点検作業となりました。したがって訓練冒頭には、周囲の安全確認、危険予知（KY）運動を実施し、作業に伴う危険性についての議論を行いました。続いて交通規制の手順を全員で確認し、安全に注意しながら交通規制を行い、橋梁点検車両を規制内へ導入してオペレータの操作訓練と点検員による橋梁点検訓練を行いました。作業冒頭には、日本でもおなじみの掛け声“ご安全に！”を、安全を意識するスローガンとして指差し点呼も行い、チームワークを意識して訓練を行いました。

参加者は両橋梁を管理するケニア国道公社（KeNHA）を対象に総勢約10名で行われました。橋梁点検車両による点検訓練と合わせて、ポールカメラ、リバウンドハンマー、点検ハンマー等のツールを用いた点検の実習や、ドローンを用いた橋梁点検実習も併せて行いました。また、Kilifi橋梁においては、橋梁内部の点検訓練も実施し、充実した内容となりました。

写真１　交通規制内に配置した橋梁点検車両

写真２　橋梁点検車両による点検訓練

写真３　同時に実施されたその他のツールによる橋梁点検実習（ドローン）