プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)橋梁維持管理能力強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening of Capacity Development on Bridge Management System

対象国名

ケニア

署名日(実施合意)

2020年2月17日

協力期間

2020年10月29日から2025年10月28日

相手国機関名

(和)ケニア国運輸インフラ省、ケニア高速道路公社、ケニア道路基金
(英)Ministry of Transport, Infrastructure, Housing, Urban Development and Public Works:MoTIHUD, Kenya National Highways Authority:KeNHA, Kenya Roads Board:KRB

背景

ケニアでは総延長178,000キロメートルの道路が整備されており、同国における国内輸送の9割以上を道路交通が担っています。また、同国のモンバサを起点とする北部回廊は東アフリカの内陸国の物流における幹線道路となっており、道路を良好な状態に維持することは、安全な道路交通のみならず、近隣諸国の経済発展に不可欠です。
ケニアにおける道路維持管理業務は民間企業へ委託する手法が広がってきていましたが、人材や予算、技術力不足などから不十分な状況にあり、我が国は道路の維持管理業務の改善を目的とした技術協力を2010年~2019年にかけ実施しました。
橋梁については、日本等のドナーが資金協力事業を通じ、橋梁の新設、補修・架け替え等の支援を行ってきたものの、橋梁整備・補修・維持管理に係る経験・能力は十分ではなく、日常的なパトロールをはじめ、定期的な点検など橋梁維持管理業務に必要な情報整備も行われていない状況です。現在、我が国の支援により大規模な高架橋が建設中である他、同国にとって初めての斜張橋となるモンバサゲートブリッジの建設が円借款により建設される予定であり、橋梁の維持管理能力の向上は喫緊の課題となっています。
このような背景のもと、ケニア政府から、実施機関における橋梁維持管理に関する能力強化を目的とした技術協力プロジェクト「橋梁維持管理能力強化プロジェクト」が要請されました。

目標

上位目標

モンバサ島と南部のリコニ地区を繋ぐ橋梁を建設し、周辺道路改良を行うことにより、交通渋滞緩和及び交通の円滑化を図り、もって域内経済活性化及びケニア・周辺国の経済発展に寄与する。

プロジェクト目標

KeNHAの橋梁維持管理能力が向上し、円借款によって整備されたあるいは整備予定の橋梁が適切に運営維持管理される基盤ができる。

成果

1.KeNHAにおいて、橋梁点検・診断に係る能力が向上する。
2.KeNHAにおいて、橋梁補修に係る能力が向上する。
3.KeNHAにおいて、橋梁データベースに係る管理能力が向上する。
4.橋梁維持管理の技術者を育成するための持続可能なシステムが構築される。
5.橋梁維持に関する運営予算管理手続が改善される。

活動

成果1に係る活動

1-1.橋梁点検・診断マニュアル(案)を作成する。
1-2.橋梁点検・診断に係るOJTを実施する。
1-3.OJTの結果をふまえて橋梁点検・診断マニュアル(案)を改訂する。
1-4.橋梁点検・診断技術者の認定制度を検討する。
1-5.橋梁点検・診断計画を作成する。
1-6.計画に基づく橋梁点検・診断を実施する。
1-7.円借款により整備された橋梁の点検計画及び維持管理計画を作成する。

成果2に係る活動

2-1.橋梁補修マニュアル(案)を作成する。
2-2.補修に係るパイロットプロジェクトの対象橋梁を選定する。
2-3.パイロットプロジェクトの計画を作成し、実施する。
2-4.パイロットプロジェクトの実施結果をレビューする。

成果3に係る活動

3-1.橋梁インベントリー及び橋梁管理データベースの基本仕様書についてアフリカ開発銀行のプロジェクトと調整する。
3-2.点検データについて橋梁管理データベースへ統合し、分析する。

成果4に係る活動

4-1.橋梁維持管理の研修カリキュラム、シラバス、教材を準備する。
4-2.橋梁維持管理コースの講師養成研修を実施する。
4-3.橋梁維持管理研修プログラムを準備する。
4-4.ケニア道路・建築技術院(KIHBT)が橋梁維持管理研修コースを実施する。

成果5に係る活動

5-1.「橋梁維持管理マニュアル(標準業務手順書、橋梁維持管理計画立案、予算申請書作成が含まれる)」が作成される。
5-2.KeNHAが「橋梁維持管理計画書(維持管理予算見通しを含む)」を策定し、毎年更新する。
5-3.橋梁維持管理計画に基づきワーク・プラン(予算要求書)を作成する。
5-4.橋梁運営維持管理のメカニズム構築の参考情報として、有料道路制度が紹介される。

投入

日本側投入

長期・短期専門家派遣、研修員受入、機材供与

相手国側投入

カウンターパートの配置、橋梁点検・診断に係る費用、点検に必要な基本機材、橋梁補修パイロットプロジェクトの実施サイト及び費用、プロジェクト実施に必要な運用経費(電気、水道、通信費、カウンターパートの人件費、現地活動費等)