プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)クリーン農業開発プロジェクト
(英)Clean Agriculture Development Project

対象国名

ラオス

署名日(実施合意)

2017年5月23日

プロジェクトサイト

ビエンチャン市、ルアンパバーン県、サイニャブリー県、シェンクワン県

協力期間

2017年11月10日から2022年11月9日

相手国機関名

(和)農林省農業局/クリーン農業基準センター
(英)Department of Agriculture, Ministry of Agriculture and Forestry / Clean Agriculture Standerd Center

背景

ラオスでは、GDPにおける農業の割合は26パーセント(2012年)ですが、労働人口の7割以上が農業に従事しており、農村地域の雇用を支える重要な産業です。近年、ラオス政府は食の安全性を向上させるためクリーン農産物の生産(クリーン農業)を推進しており、周辺国に比べて農薬や化学肥料の投入が少ないラオスの農業の強みを活かした取り組みを強化しています。しかし、消費者の安全・安心な農作物に対する知識は未だ十分ではなく、クリーン農産物の需要は低迷しています。また、生産者と一般消費者・小売・流通業者など購買者の間で購買者が求める作物や品質、時期、出荷方法などの情報が十分共有されいないことから、市場開拓や販路拡大が進んでいないのが現状です。加えて、市場が求める品質を確保したクリーン農産物を安定的に生産できる能力のある農家も限られています。
本技術協力では、ラオス17県のうち4県を対象地域とし、対象県の農家にクリーン農産物の生産や品質管理等の技術向上に向けた支援を実施するとともに、中央・県・郡の農林省職員が生産者と購買者仲介役として生産指導やマーケティング指導ができるよう、技術指導や体制強化への支援を行います。さらに、流通業者や購買者にクリーン農業の価値を広く理解してもらい、需要を喚起するための啓発活動を支援します。これにより、クリーン農産物の生産・供給の拡大と、市場ニーズへの対応や販路拡大を図ることを目指します。

目標

上位目標と指標

対象県において、クリーン農産物の生産及び供給拡大により、クリーン農業が振興される。
指標1)対象県においてクリーン農産物を生産する農家組織メンバーがプロジェクト終了3年後に100%増加する。
指標2)対象県においてクリーン農産物の生産量及び販売量がプロジェクト終了3年後にそれぞれ150%増加する。

プロジェクト目標と指標

パイロット県において、市場ニーズに基づいたクリーン農産物の供給が促進される。
指標1)対象県においてクリーン農産物を生産する農家組織メンバーが75%増加する。
指標2)対象県におけるクリーン農産物の生産量及び販売量が120%増加する。

成果

1.市場ニーズに対応した有機農産物の生産が可能となるよう、対象県の農家/農家グループが強化される。
2.対象県においてクリーン農産物の販売が促進される。

活動

0-1.候補対象県でのサイト調査を実施する。
0-2.対象県を選定する。
0-3.ベースライン及びエンドライン調査を実施する。
0-4.クリーン農業を推進するためのステークホルダー会議を開催する。

成果1に関する活動

1-1.生産技術の改良と普及
1-1-1.生産技術の改良(土壌管理、栽培技術、IPM、ポストハーベスト等)
1-1-2.生産技術ガイドライン/マニュアルの改訂・改良

1-2.農家グループの組織構造とマネジメントの改善
1-2-1-1.対象農家グループの選定
1-2-1-2.ビジネス・マインドの醸成とグループ・マネジメントの強化(グループ・メンバー間での生産計画・調整・供給、等)
1-2-2.内部監査システム(ICS)強化を含めたラオス有機農業の基準を満たすための活動の実施

成果2に関する活動

2-1.販路の多様化と拡大
2-1-1.サプライ・チェーンのモデルとなる農家・農家グループ及びその他ステークホルダーの選定
2-1-2.対象県におけるマッチメイキング活動*2に係る支援
2-1-3.クリーン農産物の流通業者と小売業者を啓発する活動の実施

2-2.OAマーケットの強化
2-2-1.場所、回数、営業時間、販売方法等の改善
2-2-2.顧客の意識を高め、関心を引く広報活動の実施
2-2-3.OAマーケットの販売促進活動の実施

2-3.有機農産物の需要の喚起
2-3-1.クリーン農産物の消費者を啓発する活動の実施
2-3-2.イベントへの参加促進

投入

日本側投入

専門家派遣

長期専門家3名(チーフアドバイザー/ビジネス振興、農学、業務調整/広報(PR)
短期専門家 年間2~3名程度(有機土壌、野菜栽培など)

カウンターパート研修

本邦研修(クリーン農業の認証制度、フードバリューチェーン等)
第三国研修

供与機材

車両、パソコン、プリンター、コピー機等

活動予算

相手国側投入

人的配置

1)プロジェクト・ダイレクター
農林省農業局長
2)プロジェクト・マネージャー
クリーン農業基準センター所長
3)カウンターパート
農林省農業局(計画課)
クリーン農業基準センター(有機農業担当、GAP担当)
対象県の県農林局
対象県の郡農林事務所

その他

執務室及び施設設備
プロジェクト事務所の光熱水費及び維持管理費
活動予算(供与機材の消耗品にかかるコスト等)