プロジェクトニュース Vol.4

2023年4月5日

感染予防管理(IPC)を含む患者安全に関するワークショップの開催

患者安全およびIPCの2名の短期専門家が南部4県各県において県レベルスタッフ(県保健局、県病院の両方)を対象としたIPCを含む患者安全の理解を深めるためのワークショップを開催しました。ワークショップでは、講義のほかに事例を用いたグループワークを行い、環境要因以外も含めた幅広い患者安全、疾病対策だけではない患者安全の観点からのIPCについて紹介しました。また、患者安全は個人の注意でのみ行うには限界があり、個人の過失が患者の害に結びつかないように多層的に過失を防ぐシステムを構築することで患者安全に取り組む必要があることを紹介しました。各医療施設で見受けられる医療事故に結びつきそうな事例としては、患者の名札がない、処方箋の内容が不明瞭、などが挙げられました。今後はこれらの課題を改善していくための活動が進められます。まずは、これらの患者安全に関する活動を円滑に進めるために、各県において、母体となる委員会の設置がまずは必要であることが合意されました。プロジェクトではその委員会の設置をフォローするとともに、質改善活動の一部としてIPCを含む患者安全に関する取り組みを支援していく予定です。

また、本ワークショップを実施した短期専門家の内の1名が、3月22日に質改善の長期専門家としてQHCFプロジェクトに着任しました。今後は、この専門家を中心に各県での活動を展開していきます。

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チャンパサック県でのワークショップの様子

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サラワン県でのワークショップの様子

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アタプー県でのワークショップの様子

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セコン県でのワークショップの様子

南部各県で各医療施設外部評価結果のレビュー会議を実施

県病院および郡病院の各医療施設外部評価の結果をまとめ、各県でレビューする会議を、県レベル(県保健局、県病院)およびすべての郡レベル(郡保健局、郡病院)からスタッフが参加し、開催しました。この中で、評価に用いた基準に沿った各医療施設の状況について理解を深めました。結果に基づく質の改善について、予算を要さない基準は早急に、予算を要する基準については段階的に改善を検討していくことなどが検討されました。また、外部評価手法について各県からの疑問点をまとめてプロジェクトを通じて保健省等へ確認するとともに、質改善活動をすすめる際に中心となる委員会の見直しをすることとなりました。今後はこの委員会を中心により具体的な質改善活動が進んでいくよう計画を立てます。

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レビュー会議での集合写真(チャンパサック県)

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レビュー会議での集合写真(アタプー県)