ラオス中部、南部における県森林減少モニタリングシステムの推進

2023年6月14日

F-REDD 2では、衛星画像を活用した県森林減少モニタリングシステム(PDMS)を開発し、森林モニタリングの強化に向けて、モニタリング手法と実施体制の強化を図ってきました。前回のニュースでは、ラオス北部6県にPDMSが展開したことを報告しましたが、その後、世界銀行や世界自然保護基金(WWF)との連携の下、ラオス中部と南部にも拡大し、全国18県のうち10県にPDMSが展開しつつあります。

まず、2023年1月には、ラオス中部のサバナケット県でPDMSの導入研修を実施し、その後、F-REDD 2と世界銀行のLao Landscapes and Livelihoods Projectの各対象郡のモニタリング体制を構築した上で、本格的な導入を開始しました。雨季の終わる10月以降にさらに4県に対して導入研修が予定されています。

続く2023年2月には、WWFのForest Restoration for Resilience and Development (FORRED)と協力して、ラオス南部のXe Pian国立公園を管理する国立公園事務所、及びチャンパサック県とアタプー県の県・郡職員を対象としたPDMSの導入研修を行いました。その後のモニタリング活動は両プロジェクトにより実施され、F-REDD 2は技術的なフォローアップを提供しています。

利用者からは、「衛星画像を使って、より正確に森林減少の状況が把握できるようになった」「PDMSは操作が簡単で非常に使い勝手がよい」という前向きな評価が相次いでいますが、利用が進むに連れて、フィールド調査時に入力する質問票の改善提案なども上がってきています。蓄積が進むモニタリングデータを今後どのように活用すれば、違法行為に対する法執行と抑制により有効かも、検討していかなければなりません。これらの課題をカウンターパートと協議しながら、さらにPDMSを拡充し、ラオスの森林保全に向けた法執行の強化につなげていきます。

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Xe Pian国立公園の森林官を対象としたPDMS研修

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PDMSにより特定されたXe Pian国立公園内の森林伐採現場の確認