(和)フードバリューチェーン強化プロジェクト
(英)Project for Strengthening Food Value Chain in Lao PDR
ラオス国
2022年1月13日
2022年4月28日から2025年4月27日
(和)農林省技術普及・協同組合局
(英)Ministry of Agriculture and Forestry, Department of Agricultural Extension and Cooperatives
ラオスでは、農業はGDPの約15%を占め、労働人口の7割以上が従事している主要産業である。ラオス政府は第9次国家社会経済開発5カ年計画(9th National Socio-Economic Development Plan、以下NSEDP)(2021ー2025年)において農業振興を重点分野の一つに位置づけており、1)バリューチェーン上の各産業との連結性強化による高付加価値化、2)既存・新興市場が求める農畜産物の生産強化、3)単一栽培から混合作への転換、を掲げている。また、農林省は、第9次NSEDPの下作成した「2025年に向けての農業開発戦略と2030年に向けてのビジョン」(Agricultural Development Strategy to 2025 and Vision to 2030)において商業的農業生産の拡大を目標に掲げており、同目標の達成のため農産品のバリューチェーン強化を進める必要がある。さらに、国家として緊急的に取り組むべき指針を取りまとめた「国家アジェンダ2023」において、「重点事項1:輸入代替及び輸出向け商品生産の振興を通じた安定的な歳入基盤の確保」の中で、農業分野の競争力強化が挙げられている。
農産品のFVCは生産から収穫後処理、加工、流通、消費までの各段階の付加価値を高めていくことを目指すものであり、一連の過程において多様な関係者が関与している。ラオスでは長く自給的な農業が営まれてきたため、市場動向に合致しない生産体制、生産・収穫後処理等に関する技術や施設の不足、農産物加工品の品質や、市場取引システムの未整備、金融アクセス困難といったビジネスサポートおよびインフラ整備に起因する課題に加え、多様なFVC関係者間の情報ギャップに起因する課題もあり、現状では農産品の付加価値が十分に高められていない状況にある。
以上のような状況を受け、FVC強化に係るマスタープラン策定を支援する本事業が要請された。本事業は、FVC強化を通じた農産品の高付加価値化により商業的農業の推進に寄与するマスタープラン策定を支援するものである。
1)FVCに関わる各分野の政策と現状を調査し、強み、弱み、課題等を分析する。
2)以下の3種のFVCの概況を調査する。
・国内市場向けFVC
・国内近代市場向けFVC(スーパー、加工工場、契約栽培等)
・輸出FVC
3)対象地域のFVC分析を行う。
4)FVC政策策定、実施に関わる行政官が、FVC強化に係る他国の政策、事例等を学ぶ。
5)FVC研修の準備を行う。
6)対象地域において、情報ギャップを是正するためのプラットフォームを設置する。
7)プラットフォーム参加者に対して、FVC概念、プラットフォームの活動等について説明するワークショップを開催する。
8)マスタープラン(MP)骨子(案)を作成する。
9)パイロットプロジェクト(PP)実施(案)を作成する。
1)それぞれのPPに関し、PP実施タスクを任命。PP実施タスクは、PP計画策定、実施、FVCワーキンググループは監理を担う。
2)農林省職員(県農林省職員を含む)を対象として、FVCに係る研修を行う。
3)プラットフォーム活動を定期的に実施する。
4)PP実施。実施に当たり、関係者に対しVCとは何か、より付加価値を高めるためにPPが何を目的として実施されるのか等を、研修を通じて理解してもらう。
5)PPの成果と教訓を取り纏める。
6)ラオス側がPP活動を継続・発展するための実施計画を作成する。
7)MP(案)を作成する。
8)MP(案)を協議、完成する。
9)FVC関係者にMPおよびPPの成果と教訓を共有する(セミナー開催など)。
フードバリューチェーン強化、農業政策/フードバリューチェーン関連制度、生産・収穫後処理技術、産官学連携促進、組織化/モニタリング
カウンターパートの本邦研修
プロジェクト活動に係る現地経費
プロジェクトディレクター、プロジェクトマネージャー、FVCワーキンググループメンバー
プロジェクト実施に必要な事務所の提供(首都ビエンチャン)
プロジェクト実施に必要な運用経費(電気代、水道費、研修やプラットフォーム活動に係るMAFの会合場所等)