プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)小規模農家コメ生産向上プロジェクト
(英)Improving Rice Production for Smallholders Project(LibRice)

対象国名

リベリア

署名日(実施合意)

2021年1月7日

プロジェクトサイト

ボン州

協力期間

2021年5月31日から2025年5月30日

相手国機関名

農業省地域開発研究普及局

背景

リベリアにおける農業セクターは、肥沃な土壌と年間を通じた高雨量の恩恵を受け、GDPの4分の1以上及び人口の約7割の就業人口を有する主要産業となっている(リベリア農業省、2017年)。一方で、1989年より約14年続いた内戦及び2014年の西アフリカエボラウイルス病の流行によって、農業セクターの開発は停滞を余儀なくされている。
コメはリベリアにおける主食であり、一人当たりの年間消費量が120kgと世界最大規模となっている。一方で、国内のコメ生産性は低く(1.3トン/ヘクタール)(リベリア農業省、2017年)、コメ栽培適地の約3分の2が未活用といった状況であり(The Liberian Investment Commission、2018)、コメ消費の6割を輸入に頼っている(リベリア共和国、2018)。生産量・生産性の低さの原因としては、小規模農家が天水依存の稲作を行っていること、適正な稲作技術が定着していないこと、質の高い農業資材・農業インフラや普及サービスへのアクセスが限定的であること、機械化が遅れていること等が挙げられる。
「小規模農家コメ生産向上プロジェクト」(以下、本プロジェクト)は、リベリア国ボン州において稲作技術の改善、改良稲作技術の普及、参加農家グループの活動強化、農業省のモニタリング・評価能力強化を行うことにより、モデル地区における参加農家グループのコメ単収増加を図り、もってモデル地区内外のコメ生産性の向上に寄与するものである。発注者は2020年7月~9月に基本計画策定調査を実施し、リベリア国農業省関係者等と協議を行い、本プロジェクトの基本計画を決定した。今後、プロジェクト開始から1年以内に詳細計画を策定し、それ以降に本格活動を実施する予定である。

目標

上位目標

プロジェクトのモデル地区内外の農家圃場においてコメの単収が向上する

プロジェクト目標

モデル地区において参加農家グループのコメ平均単収が増加する

成果

1.既存の稲作技術が改善する
2.農家に改良稲作技術が普及する
3.モデル地区の参加農家グループの活動実施能力が向上する
4.農業省の稲作に係るモニタリング・評価能力が向上する

活動

0-1.モデル地区の現状調査とベースライン調査を行う(営農状況調査、農業機械化、地域のコメの販売経路(市場)、既存の農家グループの現状と課題を含む)
0-2.農業省とBong州農業局と協力の上、モデル地区(灌漑地と低湿地)を決定する
0-3.サービスプロバイダーを決定する
0-4.農業技術支援のための各関係者(農業省、州農業局、サービスプロバイダー、参加農家グループ代表者)の役割を明確にする

1-1.参加農家グループの共同圃場における栽培試験のための計画を立てる
1-2.参加農家グループの共同圃場において稲作技術改善のための栽培試験を実施する
1-3.栽培試験結果の評価を行う
1-4.活動1-1~1-3を繰り返す
1-5.モデル地区に適した稲作技術を開発する

2-1.既存のツール・マニュアルを基に指導者(州・郡の農業普及員、サービスプロバイダー)用のツール・マニュアルを作る
2-2.指導者向けにツール・マニュアルを用いた研修を行う
2-3.指導者用ツール・マニュアル等を基に農家向けツール・マニュアルを作る
2-4.指導者が参加農家グループに改良稲作技術研修を実施する
2-5.指導者が参加農家グループに改良稲作技術セミナーを開催する
2-6.モデル地区内外の周辺農家との交換訪問を実施する
2-7.改良稲作技術のグッドプラクティスを各関係者ならびに開発パートナーなどと共有する

3-1.既存のツール・マニュアルを基に組織強化に関する指導者(州・郡の農業普及員、サービスプロバイダー)用のツール・マニュアルを作る
3-2.指導者向けにツール・マニュアルを用いた組織強化研修を行う
3-3.指導者用ツール・マニュアル等を基に農家グループ向け組織強化に関するツール・マニュアルを作る
3-4.指導者が参加農家グループに組織強化関連研修を開催する
3-5.参加農家グループの活動年次計画を作る
3-6.指導者が参加農家グループに組織強化関連セミナーを開催する

4-1.既存のモニタリング・評価(M&E)に係るシステムを検証する
4-2.M&Eに係るシステムの改善を検討する
4-3.農業省によるM&E関連活動の成果を関係者と共有する
4-4.プロジェクトで作成するマニュアルの見直しと改訂を行う

投入

日本側投入

1.専門家派遣(合計約64M/M):総括、改良稲作技術、普及・研修、組織強化、業務調整
2.研修員受け入れ:農業・農村開発分野(稲作技術等)に係る本邦または第三国研修への参加
3.機材供与:本事業の活動に必要な資機材の供与(車両等)

相手国側投入

1.カウンターパートの配置
2.案件実施のためのサービスや施設、現地経費の提供