2016年8月の活動

2016年8月31日

1.活動写真集

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ローカル・トレーナーの力を借りて改良かまどを作る住民(アロチャ・マングル県アンパシケリーコミューン)

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取り木から育てたライチがここまで成長している!(アロチャ・マングル県アンドレバケリ・スッドコミューン)

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農業祭で展示したラバカ対策のジオラマ。対策有(右側)と対策なし(左側)の違いが一目瞭然!(アンタナナリボ)

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農業祭(FIER MADA)にて改良かまどの説明をするエリア・マネージャー(アンタナナリボ)

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植林のTOT研修(ブングラバ県アンバトランピコミューン、アンドラノベロナフクタン)

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ポットセレモニーの準備。サイト訪問地を確認する。(ブングラバ県チンジョアリボコミューン)

2.今月の主な活動

(1)アロチャ・マングル県での活動(対象期間:2016年7月1日〜7月31日)

1)研修の実施と住民活動のフォローアップ

当初対象4コミューンでは、2015年より住民による活動の持続性の向上を目指し、エリア・マネージャーとローカル・トレーナーによる住民への直接モニタリングを実施しています。訪問した3コミューンの28世帯は、早くも7月末に今シーズンの播種の準備を終えていました。このように、住民が余裕をもって活動を準備していることは、昨シーズンの教訓に基づいているようです。昨シーズンは、適切な時期に播種を開始しなかったために、苗木の生産がうまくいかない世帯がありました。この教訓をふまえて、エリア・マネージャーとローカル・トレーナーが適切な時期に活動を実施することの重要性を、繰り返し伝えてきた結果が、住民の実践活動に反映されてきたようです。
新規2コミューンでは、ライチ取り木の住民向け研修が2回行われ、24人(男性21人、女性3人)が参加しました。さらに、改良かまどの住民向け研修が1回行われ、15人(男性9人、女性6人)が参加しました。

2)JICA「中小企業連携促進基礎調査」に係る調査チームの受け入れ

JICA「中小企業連携促進基礎調査」スキームにおける「ハイブリッド型ロケットクッキングストーブとエコ燃料の製造販売事業基礎調査」の調査チームを、当プロジェクトの対象地域のひとつであるムララノクロムコミューンで受け入れました。同チームは、当プロジェクトのエリア・マネージャーと当地に赴任中の青年海外協力隊員とともに、現地での改良かまどの使用状況や住民の家庭燃料に関する調査を実施しました。

(2)ブングラバ県での活動(対象期間:7月1日〜8月31日)

1)研修活動

8月に入り、ブングラバ県の対象2コミューン(アンバトランピとチンジョアリボイマンガ)でのローカルトレーナー(LT)向けの講師育成研修(ToT)が始まりました。昨年からのLTと今回新たに選出されたLTをあわせ、下表の116人(植林58人+改良かまど58人)に対して、9つのフクタンごとに改良かまど研修と播種・採種研修のToTが実施されました。改良かまどの住民向け研修は9月から実施されます。また、当プロジェクトで用意した種子と今回住友商事から供与されたポットを9月13日、14日に住民向けに配布し、それにあわせて播種・採種研修が実施される予定です。

表1 ブングラバ県の対象2コミューンにおけるローカル・トレーナーの育成状況

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2)PAPRizとの連携活動

現在、つぎの3タイプからなる11スキームで、PAPRiz2との連携による普及活動が進められています。

タイプ1:

PRODAIREが対象とするチンジョアリボイマンガに含まれる2スキーム。リソースパーソン(RP)による田圃でのPAPRiz研修と、その周辺傾斜地を含む村でのLTによる改良かまどと植林の研修を実施する。双方の活動はPRODAIREの予算でまかなう。RP、LTへのToTは、昨シーズンからはじまっている。

タイプ2:

上記以外の4コミューンに分布する7スキーム。改良かまど研修と植林研修を実施するLTには謝金を支払い、PAPRiz研修を実施するRPにはインプットを提供する。これらはPAPRizの予算でまかなう。サカイコミューンを含む2コミューンは、傾斜地の集落が散在していることから、初年度は中心村のみでLTによる研修を実施し、2年度から他の集落に活動を拡大する。

タイプ3:

新たに加えた2スキーム。ここでは1つのスキームに1人のRPを選出し、この人がPAPRiz研修、改良かまど研修、植林研修のすべてを担う。同RPへはPAPRiz研修のためのインプットのみを提供する(改良かまど研修、植林研修の謝金は支払わない)。今後、ToTを進める。

植林研修とPAPRiz研修にはシーズンの制約があるため、その時期を外さないように、今後優先して活動を進めていきます。なおPAPRiz研修では、スキームによって二期作が可能な地域があるため、場合により、1シーズン遅らせて研修を開始することもあり得ます。

3)ポットセレモニーの準備

住友商事からCSRとして寄付していただいた苗木用ポット150万個の引き渡し式典が、2016年9月1日にブングラバ県チンジョアリボイマンガコミューンで開催されることになっていました。しかし、同日の金環日食により、9月1日に予定されている野外行事を中止または延期する決定が閣僚会議でなされたとの連絡を受け、急きょ、引渡し式典を9月5日に延期しました。
当日は小笠原大使と環境大臣にご出席いただくということで、事前にブングラバ県知事(シェフドゥレジョン)に準備の協力を求め、行政府担当者および農業局、森林局のコーディネーターとともに、念入りの準備作業を行いました。また、セレモニーにご出席いただく小笠原大使に、事前にPRODAIREの概要とセレモニー当日の流れを理解していただくため、8月29日に住友商事の武田氏とともに大使館を訪れ、説明させていただきました。なお、9月5日に開催された式典に環境大臣は参加されませんでした。

(3)中央での活動

1)マダガスカル農業祭へのブース出展

8月3日から7日までの日程で行われた農業祭(FIER MADA)にプロジェクトの展示ブースを出展しました。今年はプロジェクトの最終年であることから、再委託先NGOのほぼすべてのメンバーが会場に駆けつけ、展示ブースの運営に当たりました。
来訪者に対しては、プロジェクトの個々の活動の紹介にとどまらず、訪問者に積極的にLIFEモデルを売り込みました。

2)農業・農村開発分野意見交換会への参加

農業省付JICA大須賀アドバイザーが主催する農業・農村開発分野意見交換会が8月16日に開催され、白石専門家が当プロジェクトを代表して参加しました。同会には、大使館関係者や青年海外協力隊員を含むJICA関係者、研究者、民間企業職員が参加しました。参加者の各々が、マダガスカルで関わる農業・農村開発分野の活動を紹介し、活発な意見交換を行いました。

3)安全対策協議会への参加

JICAマダガスカル事務所の主催で、安全対策協議会が8月19日に開催されました。当プロジェクトから北窓専門家と白石専門家が参加しました。昨今の世界的なテロのリスクやマダガスカル国内の治安状況に関する説明がなされ、安全に関する注意喚起が行われました。当プロジェクトでも、これまで以上に安全管理を徹底していきます。