コロナ禍での初めてのオンラインJCC

2020年10月30日

2020年2月の第2回合同調整会議(Joint Coordinating Committee:JCC)に引き続き、10月27日に第3回JCCが開催されました。日本人専門家が現地に渡航できない8カ月間の遠隔による技術支援結果の総括と、今後の方向性に関する合意形成は、JCCの開催なくしては進められません。
マラウイで実施されている技術協力プロジェクトの中で、リロングウェ市無収水対策能力強化プロジェクト(LiSCaP)が初めてオンラインでJCCを行うこととなり、その開催の成否が関係者から注目されていました。
開催にあたっては、以下の2つの課題がありました。

オンラインによる準備及び開催

専門家は全員日本にいるため、当日はオンライン参加となり、準備も全て日本から遠隔で行わなければなりませんでした。前回のJCC同様、専門家とリロングウェ水公社(LWB)メンバーから成る準備委員会が結成され、今回は約1カ月半という長期間の準備で臨みました。更にマラウイのようなインターネット環境が不安定な国では、オンライン会議でも様々な工夫が必要です。オンライン参加の接続数の抑制、プログラムのスリム化等、これまでとは違った方向性に最初は戸惑いも生じました。
また、オンライン会議をスムーズに行うためには、ITスキルが不可欠です。このため、今回は当日だけではなく、準備委員会にもLWBのIT課職員の参加を求めました。IT課職員の参加は、オンライン会議の準備や開催に伴う様々な課題対応に大変有効でした。

コロナ感染対策

プロジェクトに関連する多くの組織の幹部職員が集まるJCCにおいて、参加者のコロナ感染は絶対に避けなければなりません。LiSCaPでは、マラウイ政府のガイドラインに加え、JCCのためのコロナ感染対策プロトコルを作成するとともに、密を避けるため、LWB内に2つの会場を設けました。また、参加者に事前に周知することにより、主催者のLWBだけではなく、参加者にも積極的にコロナ対策を実施してもらいました。

このように、LWB、専門家ともかなり準備に苦労しましたが、その甲斐あって、JCCは成功裏に開催され、コロナ禍におけるプロジェクト活動の報告と、それに伴う今後のスケジュールの見直しの可能性も議論されました。今後の状況がなかなか見えない中、プロジェクトの方向性を決めていくJCCの役割はますます重要となる一方、次回以降も通常のJCCが開催できるかどうか、非常に不透明です。

これらを踏まえ、プロジェクトでは今回のJCC開催後直ちに振り返り会議を実施し、オンラインJCC実施上の経験と知見を取り纏めることで、次回のオンラインJCCに備えています。

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コロナ感染対策プロトコル

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初のオンラインJCCでモニターを見つめるマラウイ側参加者

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日本(横浜市水道局)からLWBのJCC運営を見守るプロジェクト専門家