プロジェクトでの研修を初めてオンラインで実施

2020年11月27日

本プロジェクトでは、リロングウェ市水公社(LWB)の職員を日本に招いて実施する研修(本邦研修)を計3回開催することにしています。LWBの実務者を対象とした第2回の本邦研修を2020年11月に実施する予定でしたが、世界的な新型コロナウイルス感染拡大により、来日が困難となりました。しかしながら、このコロナ禍において、日本人専門家の現地不在時でも研修を実施することにより、LWBの研修員、並びにLWB組織全体の本プロジェクトへのモチベーションの維持・向上を図ることを目的として、我々にとっても初めてとなるオンライン研修を企画しました。

研修コースは、LWBの日々の業務に合わせて、無収水管理(技術)と広報・啓発・顧客管理(事務)の2コースとしました。さらに、時差、研修員の通常業務、オンラインでの集中力の持続などを考慮し、一日2時間の研修を、11月4日から27日までの15日間にわたり実施しました。
講師をお願いした横浜市水道局職員の方々には、通常では半日(3時間)の講義を、前半1時間の講義+後半1時間の質疑に変更して頂き、これに伴うテキストの作成と講義準備を2020年9月より進めて頂きました。

オンライン研修ではウェブ会議アプリを利用しましたが、回線が切れたり、コミュニケーションが難しくなったりするなどの問題は生じませんでした。また、業務の都合で参加できなかった研修員のために、オンライン動画共有サービスに講義動画をアップし、いつでも視聴できるよう配慮をしたことで、全研修員が全講義を受講することができました。このような運営における工夫の成果として、研修員からは、今後の自身の業務へのヒントやノウハウを得られたとのコメントもあり、全体的に満足いく研修であったと評価しています。

また、オンライン研修の開催にあたり、オブザーバー参加をマラウイ国内のブランタイヤ水公社やその他の3つの地域水道公社にも呼びかけたところ、数名の参加があり、本プロジェクトの国内展開を図ることが出来たこともオンラインによる研修実施の成果であったと言えます。

一カ月にわたるオンライン研修は初の取り組みでしたが、横浜市水道局の講師の皆さんの高い説明スキル、JICA研修監理員による逐次通訳や質疑応答時サポート、横浜ウォーター社の通信環境構築、研修員の講義教材予習や積極的な研修参加などにより、円滑に進めることが出来ました。私たちにとっても新しい研修の形態を見ることができ、今後の研修開催の幅が広がる貴重な経験となりました。

なお第2回本邦研修は、今回のオンライン研修と今後来日して実施予定の実地トレーニングの2部構成となっており、オンラインでは指導が困難な内容に関してはこちらでフォローをする予定です。

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ウェブ会議アプリによる講義

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講義の様子(写真左:研修監理員、前中央:講師)

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質疑応答の様子

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動画共有サービスでの講義動画のアーカイブ化