地域住民による子どもの学び支援活動が始まりました!

2020年1月31日

マリみんなの学校プロジェクトでは、子どもたちの基礎学力の定着を目指した学校運営委員会(CGS)の活動を支援しています。JICA「みんなの学校プロジェクト」で開発された「算数ドリル」を活用した補習活動を実施することで、基礎的な計算能力の定着を目指す活動です。

基礎的な計算能力の学習には、学校の授業をしっかり受けることがまず第一ですが、その定着のためには演習や復習など、子ども自身による授業外の学習がとても大切です。しかし、マリの一般的な家庭においては、貧困や大家族といった家庭環境から、このような家庭学習の場を整えることは容易ではありません。ここでCGSの出番です。CGSが放課後や週末といった学校時間外に子どもたちを集めて補習活動を実施することで、どのような家庭の子どもであっても学習機会を均等に持つことができるようになります。地域で子どもたちの学びを支援する活動です。

CGSが実施する補習活動の際に子どもたちを支援するのは、自ら名乗り出た、あるいは皆に選ばれた地域住民のボランティアたちです。彼らの大半は卒業生で、中学や高校に進学したお兄さんお姉さんや、退職した公務員、自営業の保護者などです。彼らボランティアが効果的に子どもの学びを支援できるよう、年明け早々1月4日、5日の週末に研修を行いました。研修では、算数ドリルを効果的に用いた補習活動の実施方法のみならず、子どもたちを励まし、自ら学ぶ姿勢を支える支援者としての役割についても学びました。

続いて1月13日から22日まで、補習開始に先立ち子どもたちの現在の習得度を把握するためのプレテストを、プロジェクトスタッフと各小学校の教員、ボランティアが協力して実施しています。彼らがプレテストの準備のための打合せをしている間は校庭で元気いっぱいに遊んでいた子どもたちも、テストが始まると一変し真剣に問題に取り組みます。1年生はまだ入学したてで、自分の名前を試験用紙に書くことさえ初めて。2桁や3桁の計算問題に取り組みますが、小さな黒板にたくさんの棒を書いて必死に数えないと答えが出せない子どもがほとんどです。この子たちが、6か月後のポストテストでどれだけ成長するか、今から楽しみです。

プレテストの結果を分析した後、CGSが住民総会を開き、保護者・教員・地域住民の関係者全員で子どもたちの実情と課題を確認した上で、いよいよ補習活動が開始されます。その様子もまた追って報告します。

【画像】

地域住民ボランティアへの研修の様子

【画像】

プレテストの後には反省会を行い、翌日の改善につなげる

【画像】

プレテストの計算問題に挑戦する男の子

【画像】

1クラス120人の子どもをひとりの教員が教えるマリでは、子どもの学びの改善に地域の協力が欠かせません