地元の教育問題をみんなの力で解決「教育フォーラム」開催!

2020年2月29日

マリみんなの学校プロジェクトでは、マリの教育課題を行政と地域住民が持続的に解決していける方法である「教育フォーラム」の導入を行っています。

元々マリでは、全国の各州、各県に設置された地方教育局が、地方自治体や住民代表者と3か月に一度集い、地元の教育問題について話し合う「地域教育連絡協議会」が開催されており、中央政府から開催費用も補助されています。ところが、話合うことは大変良いのですが、会が終われば参加者は皆それぞれの日常に埋もれ、話し合った事柄もすっかり忘れ去られてしまって、次の会でまた同じことを言い合うというようなことがよく見られました。

そこでプロジェクトでは、JICA「みんなの学校プロジェクト」がニジェール、セネガル等で開発した「フォーラムアプローチ」を活用し、話合いの結果を各アクター(特に、各学校運営委員会と各自治体)が自力で取り組めるアクションに整理し、会の最後にその実行を皆で約束、次の会合でその結果を報告しあうという新たな方法の習得を支援しています。この、話し合い→約束→具体的行動→結果の共有→次の課題の話し合い、というサイクルを毎年繰り返すことで、人々が力を合わせて地域の教育問題を毎年着実に少しずつ解決していくことができるようになるだけでなく、そのプロセスを通じて地域の相互信頼や自己課題解決力の持続的向上も期待されます。

2020年1月末から2月初旬にかけて、それぞれの地域でフォーラムが開催されました。テーマは各地域の事情を反映し、それぞれ「小学校低中学年の算数学習を改善しよう(ノソンブグ地域)」「勉強についていけない子どもの留年を減らそう(ファナ地域)」「小学校女子児童の途中退学を減らそう(ジョイラ地域)」となりました。各フォーラムでは、教育行政官による教育課題の報告と解決策の提案に続き、少人数のグループに分かれて、自分たちに何ができるか議論し、課題解決に向けてやるべきことを決議しました。どの地域でも、自分たちの学校の子どもたちのために何ができるか、真剣に議論している様子が印象的でした。

今後は、フォーラムで議論されたことや約束されたことを、各学校の保護者・住民に伝達します。そして、冒頭で触れたように、約束したアクションを各学校運営委員会が実行し、課題の解決を目指します。フォーラムで交わされた約束が、学校現場でどのような活動として実施されるのか、自治体はそれをどのように支援できるのか、今後のプロジェクトニュースで結果をお知らせします。

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フォーラムの様子(ジョイラ地域)教育行政官による教育課題と解決策の発表

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フォーラムの様子(ジョイラ地域)グループワークの様子

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フォーラムの様子(ノソンブグ地域)グループワークの様子

【画像】フォーラムの様子(ノソンブグ地域)集合写真

【画像】フォーラムの様子(ジョイラ地域)集合写真

【画像】フォーラムの様子(ファナ地域)集合写真