新型コロナ感染下でのパイロット活動再開にむけて

2020年5月30日

マリでは、2020年5月中旬時点で緊急事態宣言は解除されたものの、新型コロナウイルス感染拡大への対応は続いています。

6月からは、小中高の最高学年のみ修了試験準備のため授業再開となりますが、他の学年は引き続き臨時休校のままです。そのような中、カウンターパートやローカルNGOスタッフによるモニタリング活動は意欲的に続けられており、地方の教育行政官やコミュニティを励まし続けています。5月も先月に引き続き、対象地域の地方教育局を訪問し、各地域のモニタリング実施体制や実施状況の確認や他地域の優良事例の共有が行なわれました。

地方教育局訪問後は、現地プロジェクトチームと日本人専門家をSkypeでつないでリモート会議を行い、現場の状況の共有と対策のための相談を行っています。お互いの健康状態、両国の感染状況や政府の対応や人々の様子なども確認しつつ、現場の状況の共有、改善点の検討、今後の方針などについて協議を重ねています。9時間の時差のため、会議時間は日本時間の夜8から10時半頃となります。真昼のマリにいるカウンターパートのハイテンショントークに、夜中の日本の我々専門家がついていくのはなかなか大変です(汗)。また、マリのインターネット環境を考慮し接続は音声のみですが、その音声も途切れることも多いです。このため、会議が終わると毎回こってりと疲れますが、それでもカウンターパートの熱意と現地の様子に触れると、リモートでもプロジェクト活動を止めずなんとか前に進めていく力が沸いてくるのを感じます。

カウンターパートからは、学校現場でのパイロット活動再開に必要な新型コロナ感染予防策が提案され、検討を進めています。今後は、学校での授業や放課後学習の際にも、参加する児童や地域ボランティアがマスクを着用し、石鹸を使った正しい手洗い、アルコールジェルによる消毒、非接触型体温計による体温チェックなど、正しい感染拡大予防策を実践していくことが重要となってきます。新型ウイルスのパンデミックがいつでも起こりうるという新たな世界に適応しながらプロジェクトを進めていけるよう、学校現場での感染対策を習慣化・日常化していく方策を模索していきます。

マリへの再渡航の見通しはまだ立っていませんが、このようなSkypeで現地と繋いでの定期会合や、SNSを用いたオンタイムでの情報交換などを通じて、チーム一丸となって取り組んでいます。

来月からは算数ドリルのバージョンアップに向けたワークショップが始まります。また、学校現場での活動再開に向けた準備も少しずつ始めていきます。

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モニタリング会合の様子(ファナ地域)教育行政官による教育課題と解決策の発表

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Skypeを通じた現地チームとの会議の様子 マスクを着用し、感染対策にも努めています