指導主事による巡回モニタリング用のバイクを供与しました

2021年12月31日

前の記事で紹介しましたように、今年度は教育フォーラムのテーマを「小学校(2・3年生)の算数学習を改善しよう」とし、算数ドリルを用いた放課後学習活動の普及拡大に向けた試行活動に取り組んでいきます。

放課後学習活動は、各学校運営委員会(CGS)が地域住民の中からボランティア(ファシリテータ)を募り実施します。そのため、CGS委員が学校運営における自分たちの役割と参加型運営手法のみならず、算数ドリルを用いた放課後学習活動の運営方法についても理解し、保護者や地域住民へその必要性を説明し協力を得ることが不可欠です。対象地域では、プロジェクト第1フェーズ(2008年)の際にCGSの民主的設置と委員への能力強化研修を行っていますが、それから14年余りが経過し、その間に委員の顔ぶれも変わっています。そこでプロジェクトでは各CGSの代表者4人(委員長、校長、教員代表、市民団体代表)を対象にその理解・能力の強化を図ることとしました。

3つの対象地域内で1520名にも上る対象者に実際に研修を行うのは、教育支援センター(CAP)の指導主事です。そこで12月29日・30日の2日間、彼ら指導主事18名に対する講師研修をバマコ市内にて開催しました。1日目は、改めてCGSおよび各委員の役割や地域住民の理解と協力を得るための手法について学びなおし、指導主事としてどのように各CGSの能力強化や支援に取り組むべきかについて検討しました。そして2日目は算数ドリルを用いた補習学習の特徴、実施方法や注意点などについて、講義やグループワークを通じて理解を深めました。1月上旬に各CAPで予定されているCGS委員研修に向け、今度は彼ら指導主事が準備を進めていきます。

彼ら指導主事によるCGS支援活動を後押しすべく、今月、学校巡回モニタリング活動に使用するバイク6台を教育省に供与しました。講師研修の翌日12月31日に、教育省本庁舎内において、教育省事務次官、在マリ日本大使館代表者の臨席の下で供与式典が行われ、その様子はマリ国営放送の夜のニュースでも放映されました。事務次官はプロジェクトフェーズ1の頃に対象地域のひとつであるキタ教育アカデミー局長を務めていた方で、当プロジェクトへの理解が深く、またコロナや政情不安などで教育行政が多くの困難に見舞われている今だからこそ、コミュニティの力で子どもの学びを支えていくこのプロジェクトのアプローチを高く評価して下さっています。

このバイクは、講師研修に参加した18名の指導主事のうち、各CAPでCGSモニタリングを担当する6名がそれぞれ使用します。供与されたバイクを有効活用し、CGSによる算数ドリルを用いた補習学習がしっかりと実施されるよう、指導主事による効果的な支援を後押ししていきます。

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講師研修(CADDE長による開会挨拶)

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講師研修(CGSによる学校運営上の課題を特定し解決策を検討するグループワーク)

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講師研修(グループワープ発表の様子)

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講師研修(閉会式後の集合写真)

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バイク供与式(左からCADDE長、在マリ日本大使館河野館員、事務次官ほか)

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供与バイクを点検する対象地域のCAP局長たち