プロジェクト概要

プロジェクト名

(和)学校運営委員会支援プロジェクト フェーズ2
(仏)Projet d'Appui aux Comités de Gestion Scolaire Phase II
(英)Project for Supprting to School Management Committee Phase II

対象国名

マリ

署名日(実施合意)

2011年7月7日

プロジェクトサイト

・バマコ特別区
・クリコロ州

協力期間

2011年11月1日から2020年10月31日まで

相手国機関名

(和)国民教育省(以下、「教育省」という)
(仏)Ministère de l’Education Nationale

背景

マリ共和国(以下、マリ国)政府は、教育のアクセスの改善、教育の質の向上、教育の地方分権化と住民の参加を3本柱とした「教育開発10ヶ年計画(以下、PRODEC)」を策定し、その中で「総就学率を95%に向上させ、地域間、都市部と地方部、男女間の格差を是正する」という目標が掲げられた。マリ国における初等教育指標は、総就学率が82%(2009年)であり、特に、男子91%に対し女子73%と総就学率における男女格差が大きい。また、純就学率は63%(2009年)と依然として低い水準にあった。また、PRODECにおいて、教育の地方分権化を通じて地域のニーズを反映した学校運営を実現するため、全ての学校に学校運営委員会(Comité de Gestion Scolaire;CGS)を設置することを義務付けたが、実際の学校運営委員会の設置は遅れ、設置された学校運営委員会への支援策も十分ではなかった。
JICAは「学校運営委員会支援プロジェクト」(2008~2011)(以下、「先行フェーズ」という。)を実施し、マリ国クリコロ州をはじめとした対象地域において、「民主選挙、参加型学校運営手法研修、持続可能なモニタリングシステム」の3要素をミニマムパッケージ(以下、「ミニマムパッケージ」という。)として、「機能する学校運営委員会」の設立を支援した。フェーズ1で実施した活動を全国展開するとともに、学校運営委員会のモニタリングシステムを確立するため、マリ国政府は学校運営委員会支援プロジェクトフェーズ2(以下、「本プロジェクト」という。)を要請し、準備調査を経て2011年11月に開始された。しかしながら、プロジェクト開始後、2012年2月にトゥアレグ系アザワド解放民族運動(MNLA)がマリ国北部で蜂起、3月には政府軍の一部による軍クーデターが発生し、政治社会治安情勢の不安定化をうけ、JICAは4月にマリ国からJICA関係者を退避させることとし、本プロジェクトは中断されることとなった。
マリ国における政治社会治安情勢を踏まえ、JICAは2016年11月に調査団を派遣。最新の政治・社会・治安情勢を踏まえ、日本側関係者の滞在先を首都バマコ市に限ることを前提に、中断中の案件の再開について、マリ国側と同意した。これを受け、本プロジェクトの事業計画の見直し及び事業再開準備のため、2017年9月に再度調査団を現地に派遣した。同協議の結果をふまえ、協議議事録(R/D)の改訂がマリ国民教育省との間で2017年11月に行われた(配布資料を参照)。
その後、事業予算確保にかかる調整の必要性から専門家派遣再開の時期を当初想定よりも遅らせることなった。それを受け、マリ国側は上述のR/D改定時に想定した計画に沿って活動を進めて行く意向を示したことから、JICAは専門家派遣再開までの間、セネガル事務所からの出張等により、本取り組みに対する側面支援やモニタリングを行ってきた。その結果を踏まえた今後の活動計画案について改めてマリ国側と協議し、PDM改定を行うことで合意した(R/D変更協議ミニッツは追加配布資料を参照。変更R/D署名は2019年9月中を想定)。
本業務は、上述のPDM改定案における活動計画を元に、成果達成に向けて必要な活動を実施するもの。なお、専門家の渡航可能地域はバマコ市内のみとし、バマコ市外(クリコロ州)における活動については、現地再委託による実施支援を想定している。また、バマコ市での業務についても、安全管理の観点から長期間の滞在は控え、2週間程度を目安とした滞在を複数回実施する想定である。

目標

上位目標

住民参加を通じて基礎教育第1サイクル(小学校)の学校運営が改善する。

プロジェクト目標

住民参加を通じて基礎教育第一サイクル(小学校)の学校運営を改善するため、中央・地方分散化・分権化機関の異なるアクターの能力が強化される。

成果

成果1:学校運営委員会の民主的設置及び参加型学校運営のため、中央・地方分散化・分権化機関の異なるアクターの能力が強化される。
成果2:学校運営委員会の持続的なモニタリング・支援体制の発展のため、中央・地方分散化・分権化機関の異なるアクターの能力が強化される。

活動

成果1に係る活動

1-1.学校運営委員会の機能に係る調査の計画策定及び準備
1-2.学校運営委員会の機能に係る調査の実施
1-3.調査結果の共有セミナーの開催
1-4.調査結果及びセミナーにおける提言を踏まえ、パイロット活動を含む活動計画を策定する
1-5.調査結果及びセミナーにおける提言を踏まえ、計画された活動の実施
1-5-1.ドナーの支援によりCADDEが実施するCGSモデル全国普及の実施計画策定への技術的助言を通じたCADDE職員の能力強化
1-5-2.学習の質改善活動試行活動
1-5-3.中学校向けCGSモデルの検討
1-5-4.エンドライン調査の計画・実施

成果2に係る活動

2-1.「フォーラムアプローチ」を活用し、CAP・コミューン連絡協議会の開催を支援する
2-2.学校運営委員会の機能に係るデータ収集のための持続的体制の強化を支援する
2-3.機能する学校運営委員会モデルに係る経験共有のためのナショナルセミナーを開催する。

投入

日本側投入

・長期専門家2名(業務主任者/参加型学校運営改善、研修計画/活動モニタリング)
・短期専門家(必要に応じ)
・機材供与(事務用機器等)
・在外事業強化費
・第三国での研修・視察への参加旅費

相手国側投入

・専属カウンターパート
・プロジェクト執務室及び執務室維持費
・プロジェクト実施費用