キックオフイベントの開催

2016年10月5日

2016年9月6日、メキシコ国立自治大学(UNAM)地球物理学研究所講堂にて、SATREPS関係者を含めてメキシコ国内にプロジェクトの開始、内容を周知することを目的として、キックオフイベントを開催しました。

メキシコ側からは、本SATREPSの実施機関であるUNAM地球物理学研究所のアルトゥーロ・イグレシアス所長、ビクトル・クルス-アティエンサ地震学研究室長や、国立防災センター(CENAPRED)のトマス・サンチェス普及局長が参加したほか、メキシコ連邦政府で防災を担当している内務省からロヘリオ・コンデ市民保護関連連携・革新・規制部長、国際協力の窓口機関である国際開発協力庁(AMEXCID)からマリア・エウヘニア・カサル長官が参加しました。

日本側からは、研究代表機関である京都大学防災研究所から伊藤喜宏准教授がメキシコを訪問したことに加えて、ブラジルでのパラリンピックへの往路に立ち寄られた田野瀬太道文部科学大臣政務官が本イベントに参加しました。田野瀬政務官は、冒頭の挨拶の中で、地震頻発国である日本・メキシコにおいて地震・津波の研究は重要であり、メキシコでの共同研究がメキシコのみならず日本の南海トラフ等の巨大地震研究にも貢献すること、ハザードマップの作成や防災教育を通じた防災・減災への期待を述べました。

またJICAメキシコ事務所の篠山和良所長から、メキシコにおける防災分野の協力成果が広くメキシコでの人材育成を通じて中南米地域に普及していること、本SATREPSの活動は2015年12月に国連で採択された「世界津波の日」の推進に貢献していることを強調しました。

キックオフイベントでは、伊藤准教授及びメキシコ側研究代表者であるクルス-アティエンサ地震学研究室長が、プロジェクトの概要とメキシコ国内における科学技術の発展と防災にどのように貢献するかについて説明した後、参加者やマスコミから多くの質問がなされ、本SATREPSの内容への関心の高さが伺われました。また最後に行われたパネルディスカッションでは、学術研究機関、地方公共団体、意識啓発担当機関それぞれの立場から、本SATREPSにおける地震・津波対策への期待が述べられました。また中米・カリブ地域で実施されている津波の早期警報システムの事例紹介を通じて、本SATREPS終了後のスケールアップ、社会実装の新たな可能性も示されました。

今回のキックオフイベントでは、参加者約110名とマスコミ15社が集まり、メキシコにおいて防災が大きな課題で関心を集めていることが改めて認識されました。特に、学術研究機関、政府機関だけでなく、地方公共団体や民間企業(日系企業)、在メキシコ在外公館等、さまざまな機関が参加したことは、防災を推進していく上で大きな機会となりました。

本SATREPSでは、引き続き研究や技術協力の成果をメキシコ国内外に広く発信していきます。

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冒頭挨拶の様子。写真左から、クルス-アティエンサUNAM地震学研究室長、篠山JICAメキシコ事務所長、山田在メキシコ特命全権大使、田野瀬文部科学大臣政務官、ロメリUNAM副学長、カサルAMEXCID長官、イグレシアスUNAM地球物理学研究所長、伊藤喜宏京都大学准教授。

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伊藤准教授によるプロジェクトの概要説明。

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クルス-アティエンサ室長がメキシコの科学技術発展、防災における本SATREPSの重要性を説明。

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講堂の席がほとんど埋まり、参加者、マスコミから多くの質問がなされた。