ゲレロ州アカプルコ市での防災教育セミナーの開催

2019年11月28日

2019年11月28日、SATREPSプロジェクトの研究代表者並びにC-2(防災教育)グループを中心とするプロジェクトメンバーがゲレロ州アカプルコ市を訪問し、ゲレロ州防災局や国立防災センター(CENAPRED)と共同で、防災教育に関する普及セミナーを開催しました。同セミナーは、本プロジェクトが主にゲレロ州シワタネホ市で開発・実施してきた防災教育の手法を、ゲレロ州の沿岸地域に広く展開することを目的とし、同州の沿岸自治体の職員や連邦レベルの防災関係者など約100名を招いて行ったものです。

セミナーの前半には、本プロジェクトの研究代表者である京都大学の伊藤喜宏准教授とメキシコ国立自治大学のビクトル・クルスアティエンサ教授、並びにプロジェクトメンバーのマリアテレサ・ラミレス教授から、プロジェクトを通して生み出される科学的知見がゲレロ州の地震・津波対策に与える示唆に関して、各自の専門分野に基づく発表が行われました。

一方、セミナーの後半では防災教育にフォーカスし、京都大学の矢守克也教授が日本の自治体における先進的取り組みを紹介しながら、学校で行われる防災教育と地域コミュニティの防災の連携の重要性を強調しました。さらに、京都大学の中野元太専門家は、主にシワタネホ市で取り組んでいる防災教育の手法に関して、教育教材や避難訓練等を用いた具体的事例に言及しながら説明を行いました。

出席した自治体関係者に対しては、これらの教材や防災教育マニュアル等を配布するとともに、今後のアクションプランとして、各自治体の取り組みに関し、継続的に情報交換を行うという方向性が確認されました。

SATREPSプロジェクトでは、今後もゲレロ州の沿岸自治体における取り組み強化に向けて、ゲレロ州防災局・CENAPREDほかメキシコ側カウンターパートと協力し、防災教育に関する情報や手法の提供を進めていきます。

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開会式の様子

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東日本大震災の津波被害について述べる京都大学 伊藤喜宏准教授

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日本の防災教育の事例を紹介する京都大学 矢守克也教授

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避難訓練等の教育手法を説明する京都大学 中野元太専門家

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ゲレロ州の津波対策について話すマルコ・マヤレス防災局長